拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

道灌山(西日暮里は海だった)

2024-09-27 06:31:53 | 地理

西日暮里駅は、何十年も単に乗換駅のみの利用で、駅外に出たことなど覚えてないくらいなのだが、こないだ上野台地を上野から駒込まで歩いた際、なにやらえらく面白そうな所だということが分かり、今度は最初から西日暮里をターゲットにして歩いてきた。まずは、おさらいから。上野台地は、西日暮里駅の辺りが一番狭くなっているため道路を通すのに都合がよかった。で、道灌山通りが切り通され、台地が南北に分断された。下の写真(山手線のホームから撮った)の中央が道灌山通りであり、左右にある高台が分断された台地である(もともと細い切り通しがあり、それを広げたようである)。

分断面の幅は写真の赤矢印で示した通り大変狭い。そして、写真の左側が「諏訪台」であり、崖上には西日暮里公園がある。そして、右側が昔の「道灌山」であり、通りの名前はここから来た。この日は、旧道灌山を「ひぐらし坂」(上の写真参照)から登るルートを選択した。

というわけで、改札を出て通りを渡ってひぐらし坂の登り口に向かう。左端に坂名を記した標識がある。右側は道灌山通りである。

坂の途中に遺跡を表す標識が現れた。

縄文時代から弥生時代にかけての竪穴式住居の跡が発掘されたそうな。なぜ、この場所に遺跡があるかと言えば、太古の昔、この辺りが陸地の端だったからである。だから、てっぺんから東を見ると、今は線路があって、その先にビルが立ち並んでいるが、

ここが海だったわけだ。その後、海面が下がって陸地が広くなった後も、現在の線路の箇所には音無川が流れていて、


道灌山(広重)出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」 (https://www.ndl.go.jp/landmarks/)

その先は田園風景で、それを見下ろす道灌山はなかなかの観光スポットだったという。


道灌山虫聞之図(広重)出典:国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」 (https://www.ndl.go.jp/landmarks/)

ただし、現在では住宅地や学校のグラウンドになっていて、高台ではあっても「山」という感じはない。

ずっと東側を見下ろしていたが、振り返って反対側を望むと、

すぐそこに西端が見える(何度も言うがホントに狭い)。でも、狭いのは東西で、北側はまだまだ続いて果ては王子の飛鳥山公園である。こないだ歩いたときは、山手線(田端の先で西にカーブし台地を突っ切る)に沿って途中で西に向きを変えたけれど、今度はまっすぐ王子まで歩いてみようと思う。