皆さん、おはようございます!
プロ研修講師・プロコンサルタント・中小企業診断士の青木公司です。
本日は「一発逆転ホームラン狙い経営・裏技狙い経営では最終的には決して成功できない!」ということについてです。
スポーツなどで、もう駄目だという状況まで追い込まれてから、一発逆転ホームラン、興奮しますよね。
またドラマなどで、もう絶体絶命の状況から、主人公が「超裏技を使った大技」で逆転大成功、興奮しますよね。
それはわかります。
しかし、通常の我々の現実社会で、それが通らないからこそ、人はそういうものに興奮します。
会社経営、ビジネスも同様です。
会社の経営者の方やビジネスマンにもこういう人がいます。
「なんとか大きなうまい話がないか。」
「今の状況を覆す、一発逆転の方法はないか。」
そんなことばかり考えています。
そして、実際、現実的、理論的に考えた経営をおろそかにします。
結果、失敗します。
「過去にそういうことをやった人もいる!」
そういう話をされるのですが、過去の状況と今の状況は変わっていたりします。
その話が通った会社と自分の会社は資本力、過去の実績、人脈、実力が決定的なまで違っていても、自分もその一発逆転、裏技、うまい話にこだわったりします。
そういう話は、大体うまくいきませんし、空振り三振、ゲームセットになるのが落ちです。
仮に、一回、うまくいっても、その後、それが続かず、大失敗します。
会社経営、ビジネスは理論的、常識的なものなのです。
そして、状況を現実的にとらえ、顧客ニーズと市場動向を捉え、しっかりビジネス経営理論に乗っ取り、さらに人を大切にして経営すれば、着実に成功します。
リスク分散して、しっかりリスクにも準備して経営すれば成功します。
そういうものです。
いちかばちかではギャンブルで長期間、成功する人がいないように失敗します。
「商いは短くもって、コツコツあてる!」
これが揺るがない成功法則です。
高校野球で広島商業という名門高校があります。
甲子園出場回数47回を誇り、全国制覇7回を誇る名門校です。
地方の公立なので、いい選手を全国から集めるなどはなかなかできない高校で、近隣の選手たちで構成されています。
もちろん、プロに入る選手も過去には出ていますが、大阪桐蔭、PL学園、横浜高校などのようなスーパースターが居並ぶチームとは違う高校です。
選手たちは圧倒的野球名門校と比較すれば、青木の印象としては戦力的には小粒です。
それでも驚異的な強さを誇る高校でした。
特に1970年代から1980年代の広商野球は驚異でした。
なぜ、強いのか。
それは、その持てる戦力を徹底的に使い、着実に、闘うことが徹底されていたからです。
全国に名をとどろかすような剛腕投手やホームランバッターは少ない。
しかし、彼らは徹底的に守備を鍛えられ、バントを鍛えられ、足を鍛えられ、盗塁、ヒットエンドラン、バントエンドランなど機動力を鍛えられていました。
相手を研究し、守備位置を変え、持てる力を十二分に使い、持てる力で徹底的に地道に戦う!そういうチームなのです。
そして、その着実な戦い方は「広商野球」として恐れられていました。
すさまじい、天才選手がいなくても、天才がいるチーム、戦力が圧倒的に見える強豪チームをなぎ倒していったのです。
伝説の試合はいくつもあります。
伝説の試合、一つ目は甲子園史上、最強の投手、江川卓投手を擁する作新学園戦です。
江川卓投手。のちに巨人軍のエースとなり、大活躍し、晩年も13勝5敗という圧倒的成績で引退した伝説のエースで、あの史上最強の助っ人、ランディーバースをして、「日米で対戦した投手の中で最高の投手」と言わしめ、大学時代も法政大学で記録を塗り替えまくった伝説のエースですが、最高だったのは高校時代と言われている選手です。
高校時代の江川投手は、異次元の記録を持ち、公式戦だけでパーフェクト2回、ノーヒットノーラン9回、それ以外に9回まではパーフェクト・ノーヒットノーランで自分のチームが点を取れず、延長戦でヒットを打たれてパーフェクト・ノーヒットノーランにならなかったことが何度もある。
通算防御率なんと0.41!
高校2年生の夏の県大会は2回戦から4回戦までパーフェクトとノーヒットノーラン、準決勝でも10回までノーヒットノーランで11回、サヨナラスクイズで0-1で負けたが、9回までに終わっていればすべてノーヒットだった最強投手。
2年秋の栃木大会、7戦全勝。全試合0点。
練習試合も併せ140イニング無失点。
そんな江川は3年生、春、初めて甲子園に出場。
一回戦の優勝候補NO1、全国NO1ともいわれるのちのプロ選手を何人も抱える打線を持つ、大阪の北陽高校とあたります。
江川が最初、ウォーミングアップで投げた瞬間、甲子園に「どおおおおおおーーー」というどよめきが地鳴りのようになったそうです。
1番から4番までのちのプロ選手もいる最強打線が一回もかすりもせず、すべて空振り三振。あまりの異様な静けさなった甲子園。そして5番ののちのプロ野球近鉄の有田がバックネットにファールするとかすっただけで再び、甲子園に怒号のように「どおーーーーーぉーーーーー」と歓声が上がったそうです。
この試合を含め、3試合すべて完封。北陽戦19奪三振、小倉南10三振、優勝候補今治西20奪三振。
3試合で打たれたヒット6本、1試合平均奪三振率17.6。
この絶好調の江川と対戦したのが広島商業でした。
140イニング無失点の最強チーム江川に、広島商業は徹底的に地道に対抗しました。
監督は一年間、江川投手攻略に絞って徹底的に作戦を地道に練ったそうです。
・バットを異様に短く持ってバッターボックス一番前に立ち、内角を投げづらくさせて、とにかく外角の玉をファールチップして、一人5球は投げさせて、3連続完投完封の江川疲れさす。
・バントを使ってかき回し、コツコツ当て、怪物江川の精神を崩す。
・四球の選手でも丁寧に送って、少ないチャンスをものにする
・鍛え上げた足を使って江川投手をかく乱し、相手の守備のミスを突く
・自分たちは徹底的に鍛えた守備で絶対にエラーをせず、最少失点で相手との接戦を制す!
この広島商業戦も江川投手は内野安打1本、どんずまりのポテンヒット1本のわずか2安打、13奪三振に抑えました。
しかし、広島商業が2安打で2-1で140イニング無失点の史上最強投手に、勝利したのです。
5回。四球で出たのちの広島カープのキャッチャー、くせもの達川を丁寧にセカンドにすすめ、短くバットをもって、こつっとあてたどんずまりのフライが、ポトリと落ち、江川から1点をもぎとる。
8回、2アウトランナー1,2塁から、まさかのダブルスチール敢行。
意表を突かれ、あせったキャッチャーが悪送球して、広商のランナーが生還。
まさに史上最強の投手をたった二安打で倒したのです。
「このまま、打たしても江川は打てない。絶対にない状況から勝つために鍛え上げた足を使う!」
そう考えたのだと思います。
一発逆転ホームランを狙い、ぶんぶんやっても勝てない。
持てる戦力で地道に戦う!
基本を徹底的に守り戦う!
それが広島商業野球です。
それから10年近くたった時、広島商業は、その後プロ野球阪神タイガースに行って活躍する、高校NO1左腕、仲田投手を擁する沖縄、興南高校と2度あたります。
その時も、鍛え上げた守備、「バント」、「盗塁」、「ヒットエンドラン」、「こつこつねばる」。
これらを駆使し、1試合で2安打、4安打しか打てなかったのに、それぞれ4点とって、最強左腕を攻略しました。
10年たっても何十年たっても、金属バットの時代になっても通用する、当たり前の野球で、またしても最高の投手を打ち破ったのです。
僕は本物の経営とはこういうものだと思うのです。
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