Ombra Mai Fu ~ 優しい樹の下で

POP ♡ OPERA SINGER 
 増田 いずみ ~ OFFICIAL BLOG

越天楽

2005年10月15日 | masudaizumi.com
いってきました。大分別府。


大分ミキグループの皆さん、とってものりのりで、楽しいコンサート
どうもありがとう!!!!

時間の都合でアンコールにこたえられず本当に残念でした。

会場のホテルには温泉露天風呂がついていたので、コンサートが終わったら、軽くビールを飲んで乾杯して、今日は温泉だ~~~~っひゃっぽ~~~(^^)

と、、、思った瞬間。


あれ????


この会場のホテルには、私の歌を聴いてくださった皆さんも泊まっているのよね?ってことは、イベントが終わったら、お風呂で、この会場の数百人の女性とお風呂で・・・・・


みなさ~~~ん。またまたっ(^^)こんばんわ~~~~!!

なんてことになるわけ?????


ひえ~~~~~~~~~!!!!ありえない


じゃあいつ温泉に入ればいいの?


とリハーサルをやっている間、気持ちは温泉に入るタイミングのことで頭がいっぱい。

仕方なく、本番前の一時間半の準備のあいだ、30分間温泉へダッシュ


そして迎えたコンサートでしたが、さっきまでポカポカだったのが、出番5分前、会場袖にいくと、湯冷めしそうじゃ~あ~りませんか??

さぶっ


というわけで、赤いドレスにミンクショールを肩からかけて出演。


会場は予想通り、何百人もの女性の顔、顔、顔。本当にたくさんの女の人なのよね~~。毎回とってもびっくりするのですが、そんなに女性だけを一度に会場にみるなんてことできませんから、私は面白うて、笑ってしまったでございます。

そして会場の皆さんに、その気持ちを素直に告白し、「この人数が大浴場に向かうのかと思うと、私はいてもたってもいられず、、、、すみません、みなさんより先にひとっ風呂浴びてきちゃいました」と告白。

会場はもちろん・・・大爆笑


そんな和やかなスタートを切ったコンサートでした。


帰りはスダチと関鯖寿司、かるかんに団子汁を買い込んでバッグがパンパンになりましたが、そんなお土産より、私には別府湾の朝の香り、懐かしい南国の空気が一番のお土産です。

大分はやはり隣の県、宮崎と同じ朝の香りがするのです。
なんともいえないきゅ~~~んとした気持ちになって、私のふるさとは、やっぱり宮崎、日南なんだって改めて感じました。




さて、今日のアルバム紹介にいきましょか

<越天楽>


平安時代から宮廷で演奏していた雅楽。これこそまさに、日本オリジナルで一番有名なクラシック(古典)音楽。貴族が庇護して作曲をし、発展させ、広めたという点でも、西洋と同じですね。

西洋ではキリスト教の普及とともにグレゴリオ聖歌がうまれ、日本では仏教とともに声明がうまれ、、、西洋にオペラが生まれたときには、日本には歌舞伎が生まれています。

貴族の間で当時流行していた朗詠風の歌曲は廃れ、平安末期、今様(現代風の)というスタイルが生まれます。天台宗の高僧で歌人としても活躍した慈鎮和尚(1155~1225)が詞を当てはめて「越天楽今様」としたものだそうですが。これがまさに日本で最初のポップオペラですね。

もちろんこの曲は小学校の音楽の時間に学んで一般教養として知っていましたが、私が最初にこの曲に惹かれたのは、昨年の春でした。

私の衣装を作ってくださったり、着物の着付けを教えてくださる先生の旦那様が宮内庁にお勤めになっているご縁で、宮廷で本物の雅楽師の音楽会を聴く機会をいただいたのです。

桜の花が散るころ、私は高校三年の修学旅行以来、皇居に足を踏み入れました。

宮殿にはいると、朱色の柱が厳かに建って、大きな打楽器が舞台に並べらて・・・どこかでみたことあると思ったら、それは日本橋三越の一階広間。あんなに大きくはないけれど。演奏家はみな時代劇のような平安時代の衣装。

笙という楽器は龍が昇っていく様を音にしたといわれます。吸い込まれそうな音色。舞踏、衣装、楽器の独特な神秘的な体験でした。


二度目は昨年12月の結婚式。

冬の朝の冷気の中、白無垢に身を包み、身を清められる想い。涙がでそうな幸福な気持ち。その日はまさにこの曲で描かれた「星溶け残る空」でした。

こんな出会いがあって、越天楽は昨年の私にとってスペシャルな曲。日本人にとっての永遠の歴史と文化へ、誇りを感じ、アルバムに残しました。

私の曲作りは少しづつ、日本をテーマにした選曲が含まれていくことでしょう、記念すべき第一曲目です。



「オレ流」みたいなことを、「イズミ道」、「イズミズム」、、とか呼んでいたのですが、いま英語で綴ってみたら変な感じ・・・・izumizm(^^)


慈鎮和尚に関してのサイト覗いてみてください。

http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/jien.html

いずみ