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 増田 いずみ ~ OFFICIAL BLOG

パヴァロッティさん

2007年09月06日 | masudaizumi.com
今日は大変残念なニュースが飛び込んできました。

テノール歌手のルチアーノ パヴァロッティさんが亡くなくなった、というのです。
一時代が終わった。そう感じます。

というのも、古き良きオペラ歌手のスタイルを貫きとおした方だったのです。

私が一番いままでで感動したコンサートは、カルロ ベルゴンツィというテノール歌手の引退前のファイナルコンサート。
ベルゴンツィさんも、古き良きスタイルのオペラ歌手でした。

piano の演奏と歌が全くかみ合ってなくて、すごく自由に歌っていて、ピアニストさんは大変だったと思いますが、ずれているぶん、よけいに声が引き立っちゃう、という、、もう、細かいことは気にしません、という感じのスタイル。技術じゃなかったんです。気合い、というか、迫力、というか、、、魅力的な声、声、声。声です。

アンコールのころには、場内大興奮で、総立ち。声がここまで人を震えさせるのか、といわんばかりに、私も無意識のうちに、立ち上がって、ブラボーと声を上げていました。
そんな私の声なんて、聞こえないくらい、もうブラボーの合唱のような大歓声のお客様で、、まるで、ロックコンサートにいるかのような歓声。いまでも、あの感動は忘れられません。


パヴァロッテイさんの舞台は、NY留学中、メトロポリタン歌劇場へ何十回と聴きにいきました。そのたびごとに味があって、それはそれは楽しく生であることを感じられました。もう高齢であることもあって、失敗したり、声がひっくりかえっちゃったり、劇の途中で、その役が、別の新人テノール歌手に代わってしまったこともありました。でも、声を聞くだけで、太陽が昇るような気持ちになれる、とっても元気がでる声、愛の表情のある声、声そのものの美しさにプラスされた、あの魅力的な、チャーミングな笑顔、そして恰幅のよいからだから奏でられるラッパのような響き。


ああ、、、本当に、世界中のひとが、パヴァロッティさんに、どれだけの感動をいただいたのでしょう。

天上の国でも、皆を幸せにして魅了していらっしゃることでしょう。
ご冥福をお祈りします。