最近、仕事が忙しかったりで本サイトを更新するまとまった時間が取りづらくなっているので
短い時間でさくっと書けるシリーズ記事を立ち上げました。
「思い出の一話」と銘打って、単純にコミックやアニメ等の特定の一話を取り上げて、
あらすじを説明した後に感想を書くというものすごくシンプルなタイプの記事となります。
まぁ、あんまり多様しないようにはしたいですが、それでもこのシリーズが乱発されるようなら、
「管理人のヤロー、よっぽど忙しいかネタが無いんだな」と笑ってやってください。
また、当然のことながらネタバレ全開で行きますので、ネタバレ嫌な人はご注意ねがいます。
今回は【地獄先生ぬ~べ~】第91話「反魂の術」を取り上げます。
あらすじ
この日、ぬ~べ~は遠足の下見に出かけました。
彼にとってそれは初夏ののどかな一日になるはずでした。
しかし、ぬ~べ~はガケの下の廃坑から助けを求める声を聞いてしまいます。
その声は生きた人間の声ではありませんでした。
助けを求める死者を供養しようと廃坑へ入ったぬ~べ~でしたが、
なんと落盤が発生して廃坑へ閉じ込められてしまいます。
ここで救助を待つしかないと判断したぬ~べ~の廃坑サバイバル生活が始まります。
雨水をためて飲料水とし、所持していた乾パンや廃坑内のキノコ等で食糧に困ることはありませんでしたが、
ぬ~べ~を苦しめたのは「暗闇の閉鎖空間」という環境でした。
ふつう、このような環境で70時間以上を過ごすと人間は錯乱するものですが、
ぬ~べ~はその何倍もの時間に耐えていました。
しかし、ついに彼にも限界が・・・
「誰でもいい・・・話し相手が・・・」
錯乱寸前のぬ~べ~が目にしたのは、冒頭でぬ~べ~に助けを求めた死者の白骨でした。
ぬ~べ~は禁呪である「反魂の術」を使い、死者を蘇らせることにしたのです。
「何をしてるんだ俺は…死者をよみがえらせるだと!?そんなことが許されるはずがない!
命をもてあそぶ行為だ・・・こんな・・・」
術使用中、ぬ~べ~は葛藤しますが、なんと術は成功。
白骨は生前の女性の肉体と魂を取り戻したのでした。
遺留品から女性の名は杉田琴美。享年は22歳であることがわかりました。
(俺はとんでもない事をしてしまったのだろうか・・・)
ぬ~べ~は死者を蘇らせたことに罪悪感を抱きますが、琴美の存在はぬ~べ~の
孤独感を癒し、正常な思考を取り戻させてくれました。
ぬ~べ~は、たとえ自分の行っていることが命の冒涜だろうと、琴美を生かすことを決意しました。
外へ出られたら、自分の妹ということにしよう。
そう思いました。
やがて、廃坑の出口を発見したぬ~べ~は琴美と共に外へ出ることができました!
しかし・・・
琴美はぬ~べ~のポケットに入っていた封筒の中身を読んでしまっていたのです。
それは、彼女が生前にしたためた遺書でした。
自らの死んだ理由を思い出し、生きる気力を失った琴美は一瞬にして白骨へと戻ってしまったのでした。
「神よ!これがあなたの答えか!?人が命を与えてはいけないというのか! ばかやろう!」
ぬ~べ~は天に吠え、
「おれは・・・生きるぞ・・・」
と歩き出します。
その先には、彼の愛すべき生徒たちの姿がありました。
感想
切ないお話です。
こういう、読後に少ししこりの残るお話は大好物です。
【地獄先生ぬ~べ~】という作品の中でもこの話はちょっと異質です。
ぬ~べ~の話の展開といえば、生徒のうちの誰かが妖怪がらみの問題を起こし、
それを最後にぬ~べ~が解決するのが定番スタイルです。
それに対し、この話は生徒は一切登場しません。
登場人物はぬ~べ~と、白骨だった琴美のみ。
それだけに、じっくりと話に集中することができます。
また、「生命をつくりだすことは神への冒涜である」という禁忌に対して、
ぬ~べ~が真っ向から挑むところも面白いです。
反魂の術を使ったとされる西行を例に出し、西行の術でよみがえった人間はただのゾンビで
すぐ死んだというが、俺は違うぞ・・・俺はこの娘を生かす・・・
と、ぬ~べ~が決意する場面にグッときます。
言ってみれば、「死者を蘇らせても良い結果にはならない」という物語的お約束に
物語の主人公であるぬ~べ~が立ち向かうわけです。
ここは本当に琴美にぬ~べ~の妹になってもらって、物語的お約束をぶち破ってもらいたい
ところでしたが、そこは悲しいかな一話完結の物語の宿命。
琴美は生きる気力を失って白骨に戻ってしまいましたとさ。
最後、ぬ~べ~が天に向かって神を批判しますが、
この神というのは、物語の作者である真倉・岡野両先生に向けて叫んでるような気がします。
「やっぱりこのオチか! 人が生命をつくってハッピーエンドになってはいけないのか!!」
ってな感じに。
結局、ぬ~べ~は物語的お約束には勝てなかったことになります。
最後のコマで「おれは・・・生きるぞ・・・」と背を向けるのが
なんともいえない読後感を誘います。
せつねぇ~・・・。
ああ、でもよく考えたら死者が復活するのってこの時期のジャンプ漫画では当たり前の光景だったか。
でもそれ言っちゃったら今まで展開してきた感想台無しだな。
忘れてください。
ちなみに、【アウターゾーン】にも死者復活系の話がありますが、そちらはこの話とは
オチが対照的です。
そちらも読んでみると一層面白いかもです。
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僕もこの話読んだときブラックジャックの「縮む!」を彷彿としました。
ブラックジャックが天に向かって
「医者はなんのためにあるんだっ!!」
と叫ぶシーンがこの回のぬ~べ~とぴったりでした。
やっぱり思いますよね~
世の中の摂理とかを理解できるぬ~べ~という大人主人公ならではの話ですね。少年のようにがむしゃらではなく、理解したうえで真っ向から立ち向かうというのは少年物とは別の感動があります。
これとサイコゴーストの回はぬ~べ~の悲哀が見れて好きな話ですねー。
女主人公は七夕の正しい使い方のヒントを与えたりとか子供には甘かったな。そのヒントを与えたのがゾンビとゾンビ犬で死にかけた後という…もっと早く教えておけよ。ジャンプでは異質な作品だったな。
最後に大量の血が必要になって誰かを殺そうとした夫が考えを改めて自分を犠牲にしてよみがえらせようとしたら真犯人が犠牲になったやつ。