中学校時代に使用していた美術の教科書に岸田劉生の「麗子像」という絵が載っていました。麗子は和服で、頭がつぶれたような顔が横長気味、日本人形のような絵、当時はどちらかというと不気味で、可愛いとは思えませんでした。
なぜ娘をこんな不気味に描いたのかと。
しかし自分に娘が生まれてみると、小さな頭が麗子像のように見えることがあって、一度そう思うと不気味に思われた麗子像の微笑みが愛らしいように思える。
昔なら和服も普通のことだし、とても愛溢れる絵だったんだなあと今さら思うのでした。
我が子を描くことに憧れつつ、私には、動き回る子供を描写する余裕も気力もない、と思う日々です。