前回、高校の教科書「現代社会」より、財政の機能を取り上げた。
これを取り上げた理由が、この数年やっと、政治の世界でも財政の役割が理解されつつあるというか、具体的には消費税の問題が表面化してきたからで、その再確認、基本の認識を取り上げてみようと思ったからだ。
で、最後の機能、経済安定化である。通常自動安定化装置(ビルト・イン・スタビライザー)として知られる。僕自身、習った記憶さえある。財政というのは、この機能で持って、経済を安定的にすることを目的としているわけだ。これ基礎ってことになる。
累進課税や社会保障制度は、景気を安定化させる働きを備えている。ということで、消費意欲や有効需要をコントロールする。これをうまく運用すること、これがフィスカル・ポリシー(財政政策)である。
高校の教科書でさえ、「不況期には減税によって人々の消費を促し、公債を発行して公共事業を増やすなどして有効需要を刺激し」(高校教科書「現代社会」P79)と記されている。
景気が悪ければ、税金下げる。当たり前の政策である。選択肢として色々あるだろう。所得税の減免、消費税の減税、法人税の減税ほか各種税金を下げることが。と同時に国債を発行する。財政出動だ。
で、世界の趨勢では、特にコロナで明らかになったが、財政出動さらに消費税の減税が常道ではないか。そういう認識が広がっているが、日本の大きな政党からはその声が出てこない。本当に変だと思わざるを得ない。
減税ということで言えば、法人税は減税し続けている。とはいえ、大企業に適応されるのであって、中小さらに零細企業に至ると減税の恩恵はないどころろか、インボイスで実際は増税である。とすれば格差を増長しているだけであり、各種統計からも導かれる。
というわけで、やるべきことはわかっている。
それでもやらない、できないとすれば、外的要因を挙げなければならないだろう。