先日の日曜日、久しぶりに友人と飲み会をした。そこに医者もいたのだが、ウクライナやイスラエルのことが話題となった。
そこで僕が「イスラエルが悪いに決まっている」とか、「モサドが・・」「イスラエルの大金持ちとアメリカと」とか「ラミ・ウインガーという人物がいて・・」などと話しているうちに、自分でも陰謀論みたいになっていると反省していたら、同席した医者が「僕はそういうことチンプンカンプン」と。
まあ、そんなものでしょう。で話題を変えたりした。そこで、その医者が仕事の愚痴をこぼしていた。色々あったのだが、少しだけ、ここで振り返らせてもらう。
勤めているのは総合病院である。それほど大きい病院ではない。彼の主張「救急っていらないんじゃないか」って。
月に数度当直業務をしているそうだが、夜間にくる患者が軽傷なのに、救急を当たり前のように利用するので、辟易としているというのだ。で、「救急車でくる患者でさえ、軽傷だよ」と。
救急車を利用すると、彼によれば、だいたい4万円の税金がかかるそうだ。税への国民負担率が高いのが日本だが、そんなことが最近はネットで出回るようになって、来院患者が税金の無駄遣いに見えて、イライラするらしい。一応、症状によっては、救急車の利用も当然という人もいるとは断っていたが、大抵は放っておけば治るであろうし、少なくとも翌日の通常の外来に来たら事足りると言うのだ。
彼は海外でも働いていたこともあるそうで、日本の救急受診の敷居の低さは病的だとも。さっきまで、僕が「ハマスたいして悪くないだろう」と言っていたのを聞いて「そんなもんですかねえ」「日本の報道はそんな風になってますかねえ」などとぼんやり聞いていたのだが、さすが自身の仕事ということで、弁舌鮮やかだ。
彼は思い出したように、夕張が破綻して、病院が縮小したりしたのに、結局のところ、夕張に住む人の医療費は下がり健康的なったという話もしてきた。これは僕も本を読んで知っていたので、「病院が病気作ってるんでしょう」「病院が患者という存在を生産するシステムなんでしょう」と医原病に言及すると、彼は激しく同意した。
そこからコロナワクチンの話題や製薬メーカーの陰謀論めいた話を延々した。なんだよ僕のイスラエルの話も陰謀論めくが、医療の方も同様だ。ただそれだけじゃないようでもあった。
なんでも救急で診るためにERを軽傷だらけにする同僚の医者への愚痴をこぼし続けていた。どうも合わないらしい。
彼は「湿布なんか出したくないよ」と。彼なりの医療の在り方、理想があるようだった。