郊外線の終点の駅からはブリジットさんが運転する車で、彼女の家族が待つ家へ。
ブリジットさんとは、奈良のとある病院でたまたま隣の椅子におられた日本人のご主人と話をされていて、フランス語が聞こえたので、話しかけたことから交流が始まった。
ご主人にはその時会っていたが、娘さんと息子さんとは、初対面だ。
まず庭を見てびっくり。石の灯ろう、知足の蹲まである。
家に入ると、クリスマスの時のブログでも紹介したが、畳に炬燵がある。
トイレは、温水洗浄便座だ。
フランスでは電化製品先進国日本からすると不便なことが多々あるが、その不便ささえもフランスびいきとしては楽しんではいる。
しかし、やはり温水洗浄前座をフランスで見ると、大げさではなく感激してしまう。
もちろんフランス式にアペリティフもあり、夕食のテーブルは、ガレットだった。
お好み焼きのプレートのようなものにめいめいが、好きなものを載せて焼くスタイルだった。そして、そのまま中身を甘いものに変えて、今度はクレープになる。
いろいろな話をしたが、ほとんど日本語だったので、かわいそうなのはブリジットさん。
些細なミスで「これ」「それ」「あれ」の間違いのようなものさえ娘さんがそのたびに指摘するのには、家族同士とは言え私からすると、少し気の毒なくらいにさえ思った。もちろん、日本人だからそう感じるのであって、それは普通の事なのかもしれない。
野球をやっているという息子さんは、そのぶん?ソフトで優しい感じの好青年に思えた。
日仏カップルの友人はそんなに多くない。というか、もう一組はご主人がフランス人で奥さんが日本人のカップルで、そういうカップルが多い中、この二人は逆のカップル。
日本大好きなブリジットさんは、昔の日本人女性のように、日本人のご主人の言うことをよく聞いているような印象を受けた。
さて、そんな話をしているうちに、もう11時を過ぎていた。
帰りはご主人の運転で 片道でも30分以上かかるマリーアンジュの家まで送ってくれ、お礼を言って別れた。
コロナになって、早くからマスクをつけていたご主人が会社でからかわれるのよ、とブリジットさんは憤慨していたが、つい最近も連絡があり、「ああ、日本に戻りたいわ」と言っていた。