時代小説文庫(ハルキ文庫)
2015年2月 第1刷発行
264頁
着物始末暦シリーズ第4巻
着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズ
正月早々、江戸の町では開店したばかりの老舗呉服屋、井筒屋江戸店の噂で持ち切り
「井筒屋で配られている引き札を五枚集めたら効果な絹のしごきがもらえる」
「どうやら井筒屋は配ったしごきの色で美人番付をしているらしい」
しかし話の裏にはとんでもない陰謀がありました
余一がその真相に迫ります
「禁色」「歳月の実」「雪とけ柳」「絹の毒」
相変わらず頼りない呉服太物問屋・大隈屋の若旦那、綾太郎
綾太郎に輿入れしたお玉についてきて大隈屋の奉公人になったおみつ
これまでこの2人のキャラが気に入らなかったのですが、第4巻まで読んで慣れてきたのか、こういう人間は普通にいると思えてきました
商いが上手くいっている大店の主にも御新造にも、考えはある、悩みもある、思うままにのらりくらりと生きているわけではない、というのは現代も同じこと
トップが頑張って会社や店を維持しているからこそそこで働く人々の暮らしが守られているのです
無能なトップに当たってしまったら残念ですが…
余一と井筒屋にあるらしい過去の因縁
次巻以降で少しずつ明かされていくのでしょうか
楽しみです
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