時代小説文庫(ハルキ文庫)
2016年8月 第1刷発行
273頁
着物始末暦シリーズ第7巻
着物の始末屋・余一が着物から人の心を読み取り困りごとを解決していくシリーズ
余一はお糸と夫婦になることを決心
長年の思いが実り、喜んで父に伝えにいったお糸でしたが、頭ごなしに反対されてしまいます
なぜ父はふたりの仲を認めてくれないのか
母の形見である撫子色の着物を着て祝言を挙げたかったのに、と困惑するお糸の前に意を決した様子で風呂敷包みを抱えた余一が現れます
余一が手にしている物とは?
果たしてふたりの仲は認めてもらえるのでしょうか
「男花」「二つの藍」「なでしこ日和」「三つの宝珠」
大隈屋の若旦那・綾太郎が成長著しく頼もしくなりました
それに引き換え、綾太郎の妻・お玉のお付き女中であるおみつが相変わらずで
ようやく余一に諦めがつき、お嬢様大事のはずが猪突猛進、軽率で、お玉、綾太郎、さらには大隈屋に害を及ぼしそうな言動が目立ちます
綾太郎に諭されるも不器用なおみつの心は不安定でまた何かやらかすのではないか、ハラハラのし通し
でも、物語が終わる時には、おみつも幸せだったら良いと思います
井筒屋江戸店の主人・愁介、江戸の呉服商を舐めんなよ、ですが賢く立ち回る人物だと思っていたのに
案外世間を知らない小さな男で残念
ですが、余一との因縁もあることですし、ここで退場とはならず、また表に出てくるでしょう
次巻がまたまた楽しみです
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