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辻堂ゆめ「コーイチは、高く飛んだ」

2024年11月02日 | た行の作家


宝島社
2016年3月 第1刷発行
333頁

全日本種目別選手権の鉄棒で優勝した体操界期待の新星・結城幸市は、体操クラブでコーチを務める両親や応援してくれる幼馴染らに囲まれて充実した日々を送っていました
しかし、ある日、妹の似奈が歩道橋の階段から転落し、意識不明の重体になった時から、すべての歯車が狂い始めます
立て続けに重なる不幸に心が折れそうになるも、幸市は世界選手権に向けて猛練習に励みます

現在と過去が交互に語られます
まず。現在パートの主人公と思われる『私』が誰なのか
若くして亡くなったという“遺影”の人物は誰なのか
似奈の事故の真実は
何度も何度も予想を覆されました

作中、似奈の入院する病院の廊下で幸市が情報を整理し繰り返し考える件があります
自分も終盤は湯船に浸かりながら内容を思い起こし考えて考えて「よし!」とお風呂を出てから続きを読んだら、あらま
的外れではなかったけれど、読みが浅かったです
辻堂さんには遠く及ばない想像力でした

似奈の不運は、何度も歯車がズレた結果に起こったことと知った幸市
そして彼が選んだラストは…
それは正しい選択だったのか
『私』が誰だったのか
“遺影”の人物が誰だったのか
幸市(イチ)、似(ニ)奈、生まれる前に死んでしまった美(ミ=サン)羽
そして『私』の子供たちの名前
あー、全然気づかなかった!

「このミステリーがすごい!」大賞受賞作とのこと
納得です




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