マガジンハウス
2022年10月 第1刷発行
368頁
1970年代、シンガーソングライターとして十代でデビューを飾った荒井由実
のちに日本最大のポップスター、ユーミンとなる煌めく才能はいかにして世に出たか
八王子の裕福な呉服店に生まれ、ピアノに触れ、清元を学び、ミッション系の私立女子中学に進学
放課後や休日は高度成長期の東京を好奇心いっぱいに動き回り、人間関係を広めていき、音楽界に燦然と輝くアーティストたちとその才能を開花させていきます
3歳の由実ちゃんがシンガーソングライターとしてデビューするまでの軌跡をノンフィクション・ノベルとして描き出します
始まりは、3歳の由実ちゃんが子守役の秀ちゃんの里帰りに合わせて山形の田舎で過ごす日々
最初からユーミンの歌詞を連想させる雰囲気がいっぱいで胸キュンでした
自然と人が由実のまわりに集まり、由実のいるところが中心になる
何者かになりそうな予感を秘めた少女
得体の知れない、自信に満ちた特別な子
将来なにになるのだろうと大人たちの胸をわくわくさせる存在
由実は勉学の枠に収まらない、もっと独創的で個性的ななにかを持っている子だと家じゅうが思っていた
ピアノは上手いし絵を描かせても達者
きっと何かしら芸術的な方面で才能を開花させるのだろうと、みな当たり前のように思っている
そんな少女だったのですね-
生まれ育った環境も無関係ではありません
しかし、ユーミン自身の持つ天賦の才がとてつもないものだったゆえにデビュー以来50年以上第一線を走ってこられたのです
小説はユーミンがデビューアルバムのレコーディングを終え、家に帰って秀ちゃんの胸に飛び込むところで終わります
「ただわけもなく」は秀ちゃんへのレクイエムだそうです
楽曲の背景を知るとまた聞く耳が変わりますね
山内マリコさんの小説は好みではありませんが本書に関しては別扱いとします^^
私もこの本に出会い、ユーミンのイメージが変わったことは確かです。
私もブログを書いたことがありましたが、
月山の向こうから涼しい風が吹き降ろすと、田んぼの稲がさわさわ揺れ~
https://blog.goo.ne.jp/sayusayu_008/e/506888dc824698d90aa999e4be336918
「ただわけもなく」を聴くと、胸が痛くなってしまいますね。
山内マリコさんということで迷ってましたが読んで良かったです。
「ただわけもなく」しばらく通勤車内でリピートしてました♪