新潮社
2008年7月 発行
254頁
中編を3編
「アカペラ」
身勝手な両親を尻目に前向きに育った中学三年生のタマコ
大好きな祖父が老人ホームに入れられそうになり“駆け落ち”を決意します
一方、タマコを心配する若い担任教師は2人に振り回されて…
「ソリチュード」
従妹との恋と父親との確執からくる閉塞感から逃れようと18歳で家出した春一
東京の夜の世界に身を置き、雇われですが一軒の店を任されています
父親が亡くなったと連絡を受け、20年ぶりに実家に戻った春一
ですが財布の中身は4780円ぽっち
仕事に出ている母親の代わりに『主夫』をしながら過ごす中、従妹と再会、従妹の娘と仲良くなります
父親の49日が営まれた日、東京から2人の女性がやってきて…
「ネロリ」
病弱で無職の弟・日出男と暮らす姉・志保子、50歳独身
弟の自称・恋人、ココアと、姉に言い寄る年下の男性、須賀
おかしな4人の関係は今後どうなっていくのか
自称・恋人、ココアの名前は「心温」と書きます
人生がきらきらしないように、明日に期待しないように生きている彼らに、いつか、なくてはならない期待の星になりたい、と考えるココア
3作とも、男性より女性のほうが色々なことを考えていて、強くて逞しくて、一緒にいたら甘えさせてはもらえないけど安心できそうです
読後は、とっても温かな心持ちになれました
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