アキ・カウリスマキ監督作品を4本
「過去のない男」
原題 MIES VAILLA MENNEISYYTA
2002年 フィンランド、フランス、ドイツ
【WOWOWプラス】
夜行列車でヘルシンキに着いた男性が暴漢に襲われ重傷を負い、貧しい一家に拾われます
命は取り留めたものの身分を証明するもの全てを奪われ記憶喪失になった彼は日雇い労働者として働くようになり、救世軍で働く女性イルマと出会い、心を通わせていきます
記憶喪失で自分が何者か分からない不安と社会的に身元が保証されないが故、普通に生活することの困難
様々な問題を見せつつ、暗くならず淡々と物語は進みます
主人公の周囲の人々の温かさ、新しい人生を生き直そうとする主人公
ささやかな希望がみられる後味の良い作品でした
「街のあかり」
原題 LAITAKAUPUNGIN VALOT
2006年 フィンランド、ドイツ、フランス
【WOWOWプラス】
家族も恋人も友人もいない孤独な警備員の若者はカフェで声をかけてきた美しい女性に恋をします
しかし、彼女はマフィアが送り込んだ情婦で若者が警備につく宝飾店に強盗に入る目的で近づいたのでした
悪人ではないけれど周囲と上手くやっていけない不器用な若者は転落の道を辿ります
ただ、そこにも救いの手を差し伸べてくれる人がいました
「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」
原題 LENINGRAD COWBOYS GO AMERICA
1989年 フィンランド、スウェーデン
【WOWOWプラス】
メンバー全員が極端に長いリーゼントにサングラス、長い先の尖ったブーツを履いているフィンランド出身のロックバンド「スリーピー・スリーパーズ」が本作に登場する架空のロックバンド「レニングラード・カウボーイズ」役で出演
映画のおかげで話題となりレニングラード・カウボーイズ名で活動を続けているそうです
最果ての地ツンドラからアメリカツアーにやってきた民族音楽バンド、レニングラード・カウボーイズ
しかし、彼らの音楽は全く受けずマネージャーの提案でロックバンドへと変わります
最後にはメキシコに辿り着き成功を収めた彼らのロードムービーはシュールな笑いと不思議の連続で、よくわからないけれど面白かったです
バンドの演奏はそれなり上手いのではないかしら?
「コントラクト・キラー」
原題 I HIRED A CONTRACT KILLER
1990年 フィンランド、スウェーデン
【WOWOWプラス】
ロンドンの水道局で長年働いてきたフランス人男性が突然解雇されます
将来を悲観した彼は自殺を図ろうとしますが失敗
思いつめた末、殺し屋コントラクト・キラーに自分の殺害を依頼します
しかし、その夜カフェで出会った花売り娘に恋をしてしまった彼は生き延びようと必死になります
殺し屋が肺癌を患っていて、という設定は都合が良すぎますが、終盤に登場する彼らを助けてくれる宿屋とハンバーガー屋の主人の存在が嬉しかったです
以上カウリスマキ監督による4本
何れも、不幸な中でも人は幸せを見出せるのだという優しい目線が感じられる作品でした
好みでない方には退屈かもしれませんけど(#^^#)
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