ポプラ文庫
2014年2月 第1刷発行
2019年7月 第5刷
385頁
18世紀のヴェネツィア
作曲家のヴィヴァルディは孤児たちを養育するピエタ慈善院で『合奏・合唱の娘たち』を指導していました
ある日、教え子のエミーリアのもとに恩師ヴィヴァルディの訃報が届きます
エミーリアの少女時代から年を重ねたおよそ40年間を描きます
ヴィヴァルディは冒頭ではすでに亡くなっているので、各登場人物の思い出として語られます
エミーリア達慈善院の者にとっては「ヴィヴァルディ先生」
二人の妹にとっては「兄」
一世を風靡したコルティジャーナ・クラウディアにとっては「アントニオ」
様々な立場から語られるヴィヴァルディが実に生き生きとしています
登場人物の多くは女性で、生まれや環境、立場が異なりながらもエミーリアを介してそれぞれの絆でしっかりと結びついています
あまり重要ではないと思われたことが実は伏線で、それらが重なり合って繋がっていく終盤に感動、もらい泣きでした
よりよく生きよ、むすめたち
音が生まれ、音が重なり、音が流れる
よろこびはここにある
作者の温かく優しい眼差しが作品全体を通して漂っています
2012年本屋大賞第3位とのこと
これで3位とは上位2作は何かと調べました
1位 三浦しをん「舟を編む」
2位 高野和明「ジェノサイド」
これでは仕方ないですね(‘_’)
作者がこの本を書くきっかけとなった
ヴィバルディ 調和の霊感より 2つのヴァイオリンとチェロの為の協奏曲 ニ長調 Op.3-11
https://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/d894cc9441f8fa61c53d31cd0565119e
そういえば、私、ヴィヴァルディの記事をずいぶん書いている気がします。
実は、大島さん初読でした。
3月の自己流ウォーキングで訪ねた七五書店の一番目立つところに大島さん特集が組まれており、後で調べたら大島さん行きつけの書店と分かり狂喜乱舞。
直木賞受賞作も読みたいです。
あ、ちなみに大島さんは短大の後輩にあたります
(*´▽`*)
奥泉光さんからシューマン、中山可穂さんからモーツァルトだったり、他のジャンルから興味が広がっていくのは楽しいですね。
こういう時にだけクラシック音楽を聴く俄かファンで申し訳ないです<m(__)m>