みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1265「しずく168~新たな能力」

2022-06-23 17:36:55 | ブログ連載~しずく

 川相初音(かわいはつね)の変化(へんか)に呼応(こおう)したように、琴音(ことね)の身体(からだ)からも同じ光が出てきた。琴音は叫(さけ)び声をあげると、男の手から逃(のが)れようと手刀(しゅとう)を振(ふ)り下ろした。するとどうだろう。男の腕(うで)が刀(かたな)に切られたように切断(せつだん)され、琴音の身体は地面(じめん)に落下(らっか)した。琴音はすぐに起き上がると、切られた腕を男めがけて投(な)げつけた。そして、初音の方へ駆(か)け出した。
 不思議(ふしぎ)なことに、男の傷口(きずぐち)から血(ち)が流れ出ることはなかった。男は腕を拾(ひろ)い上げると、元(もと)の場所(ばしょ)に押(お)し当てた。すると、元通(もとどお)りにつながった。そして、男の身体が大きくなっていく。軽(かる)く二メートルは超(こ)えただろうか――。
 初音は、足を骨折(こっせつ)していて起き上がれなかった。琴音は、初音を抱(だ)き起こすと、
「お姉(ねえ)ちゃん、しっかりしてよ。あいつ、いったい何者(なにもの)なの?」
 男は地面に転(ころ)がっている岩(いわ)を拾い集めると、二人に向かって力いっぱい投げつけた。琴音には二人で飛(と)ぶだけの気力(きりょく)は残(のこ)っていなかった。それは一瞬(いっしゅん)のことだった。初音が手を広げて空(そら)にかざすと、光の壁(かべ)が現(あらわ)れた。岩はその壁にぶつかりはね返(かえ)された。
 初音は痛(いた)みをこらえながら叫んだ。「あなたならできるわ。あいつを倒(たお)して…」
 光の壁が消(き)えると、琴音はまるで鳥(とり)のように飛び上がった。男の頭上(ずじょう)まで来ると手を振(ふ)り下ろした。すると、男の身体が真(ま)っ二つに切り裂(さ)かれた。
<つぶやき>二人とも覚醒(かくせい)して新たな能力(ちから)を…。でも、これで戦(たたか)いは終わるのでしょうか?
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