ブレイブ ワン
原題 THE BRAVE ONE
監督 ニール・ジョーダン
脚本 ロデリック・テイラー ブルース・A・テイラー
シンシア・モート
撮影 フィリップ・ルースロ
音楽 ダリオ・マリアネッリ
出演 ジョディ・フォスター テレンス・ハワード ナヴィーン・アンドリュース ニッキー・カット メアリー・スティーンバージェン ジェーン・アダムス
<ストーリー>
それは、幸せの絶頂を襲った突然の悪夢だった―。
ニューヨークでラジオ番組のパーソナリティーをつとめるエリカ・ベイン(ジョディ・フォスター)は、婚約者デイビッド(ナビーン・アンドリュース)との挙式を間近に控え、満ち足りた日々を送っていた。
そんなある日、愛犬をつれて散歩に出かけた二人は、三人組の暴漢に襲われる。
金の要求に始まり、殴る蹴るの暴行、口汚い嘲りの言葉、その様子をビデオに撮ってはしゃぎながら、彼らは容赦なく二人をなぶり続けた…。
瀕死の重傷を負ったエリカが病院のベッドで意識を取り戻したのは、それから3週間後のことだった。
デイビッドの母親から聞かされた彼の死。
行き場のない悲しみに打ちのめされるエリカ。
NY市警の担当刑事が事情聴取に訪れるが、そこにはこの事件に真剣に取り組もうという意志は感じられなかった。
退院しても心の傷は癒えない。
外出しようとすると、事件のことがよみがえり、恐怖に足がすくんでしまう。
一向に進展を見せない警察の捜査。
被害者へのおざなりな対応
今すぐに、身を守る確かなものがほしい。
エリカが手にしたのは、一挺の拳銃だった。
最初の銃弾は自分を守るために放たれた―。
偶然入ったコンビニで、男が妻を撃ち殺すのを目撃したエリカは、その銃口が自分に向けられた瞬間、生き延びるために引き鉄を引いたのだ。
しかし、その一瞬からすべてが変わり始める。
まるでエリカの中の別人が目覚めたかのように。
深夜の地下鉄。
車内で恐喝をはたらく二人組。
脅えた乗客がみな逃げ出した後、車両に一人残ったエリカは、ナイフを手に近づいてきた二人をためらいもなく撃ち殺す。
現場を立ち去りながら、エリカは自問する。
あの時、あの場から逃げることもできたのに、なぜ?
捜査に当たったNY市警のマーサー刑事(テレンス・ハワード)は、それが金品目的の犯行ではないこと、殺されたのがいずれも前科者であることなどから、地下鉄とコンビニの事件は同一人物によるものだとめぼしをつける。
事件発生に押し寄せる記者、その中にマーサーは見覚えのある人物を見つけた。
エリカの入院中、別の一件で病院を訪れていたマーサーは、自分がよく聴くラジオ番組のパーソナリティーが酷い暴行事件に遭ったと聞き、意識不明で横たわるエリカの痛々しい姿を目にしていたのだ。
番組用にインタビューをさせてほしいというエリカの申し出を、戸惑いながらも引き受けるマーサー。
それが二人の運命的な出会いとなった。
そして、エリカは三たび引き鉄を引く。
男に監禁され、売春を強要されていた少女を救い出すために。
“犯罪者を裁く正体不明の処刑人”―煽り立てるマスコミに、高まる世間の関心。エリカの番組にもリスナーの声が寄せられる。
英雄視する者、快哉を叫ぶ者、嫌悪をあらわにする者、自分が“処刑人”だと言い出す者…放送後、発作的に警察に駆け込んだエリカだが、その無関心な対応に、自主をするには至らない。
なぜ誰も気づかない?なぜ誰も私を止めない?もう後戻りはできないのか?思い悩むエリカの脳裏にマーサーの誠実な瞳がよぎる―。
理不尽な事件のはびこる現代にまったく対応できていない警察!
そして ほったらかし同然の被害者達!
今まさに現実的にこうゆう被害者が大勢いることを思うとこうゆう手段に出た主人公の気持ちは充分理解できると言っていいと思います。
もちろんそれがいい事だとは思っていませんが・・・・・・・・
エリカにとって 最後に犯人達を追い詰めたときやっと すべての心の傷が癒えたのではないでしょうか?
身体の傷はいつかわ癒えたとしても 心の傷を癒してくれるのは何なのか・・・・・
それはやっぱり犯人達への復讐しかないと言ってるように思えてならなかった。
マーサーにとってもそれは法律に反することであったとしても 1人の人間としてエリカのためにそうするしかなかったのだと 思わずにはいられなかった。
悲しさと怒りと虚しさの残る映画ではあったけど考えさせられる映画でした。