世の中、ゴールデンウィークである。
行楽地は、早くも賑わいを見せ始めている事だろう。
普段、精一杯仕事をし、まとまった連休では、思う存分遊ぶ。
その事で、日本経済にも貢献していく。
それが、真っ当な日本国民の姿である。
かつての私もそうだった。
だが、今の私はと言えば、
「連休?渋滞やろもん。どこもいかなーい。」
ポリポリとケツなどを掻きながら、テレビの前にだらしなく横たわる。
まったく、
ここまで暇人だと、非国民と言う他ない。
そんな非国民の私ではあるが、自転車漕ぎは定期的にする事にしている。
「んじゃ、ちょっくら行ってくる。」(私)
「どこに?昼ご飯は?」(家内)
さあな。
どうせ、風任せ、股間任せのチャリ旅だ。
どこに行くかは、俺にも分からん。
止めても無駄だ。
あばよ。
「どこへなりと行っちまえ!!」
失礼。
悪乗りし過ぎた。
とっとと進める。
目的地も決めずに、漕いでいくうちに、なんとなく柳川にハンドルが向いてきた。
柳川城址。
柳川市は、立花宗茂と誾千代を主人公とした、大河ドラマの誘致を行っているらしい。
立花宗茂は高橋紹運の実子であり、大好きな武将でもある。
ぜひ実現してほしいものが、なんせ『おんな城主 直虎』が放映されたばかりだからなあ。
ちょっとモチーフが被り過ぎではなかろうか。
通称『御花』と呼ばれる柳川藩主立花家邸宅。
その昔、私の従姉妹がここで結婚式を挙げた事があった。
その時ホールに、上品且つ威厳に満ちた紳士が立っていた。
叔父は紳士を見るや否や、深々と頭を下げ、
「あ、殿様。この度はお世話になります。」
それがその時の立花家当主の姿であった。
現在でも柳川市民は、当主を見かければ「殿様」と挨拶することを、その時初めて知った。
御花のすぐ近くには、川下りの船着き場がある。
川下り船の事を「どんこ舟」と言う。
どんこ舟が、ゆっくりと川面を行きかう。
時折、
「待ちぼうけ~、待ちぼうけ~」
船頭が唄う、郷土が生んだ詩人、北原白秋の童謡が聞こえてきたりする。
中々の風情である。
川下りは、無論、船に乗ってこその物ではあるが、堀沿いに自転車を進ませるのも悪くはない。
檀一雄碑
こういった物が、間近に見られるからだ。
小野家屋敷跡。
この小野さん。どんな小野さんかと言うと・・・
てな訳である。
この屋敷、数年前まではあったが、遂に取り壊されたようだ。
次回来る時は、どんこ舟に絶対乗るぞ!!
御花の中もきちんと見るぞ!!
と、
誓う暇人であった。