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Tシャツとサンダルの候

お洒落なカフェで久留米ラーメンを思う。



「あー、フルーツパフェば食べたか。」(家内)

「???」(私)


晩御飯も済み、ソファーでテレビなどを見ている時間、

不意に家内がそう呟く。


断っておく。


テレビでそんな場面が現れたりとか、何かのきっかけがあった訳ではない。

正しく唐突にである。

ヤツの言動に『脈略』の2文字などないのだ。




前置きはさておき、そろそろ本題に入りたい。

この季節、久留米近郊は観光果樹園で賑わう。

今は葡萄と梨である。


先日、

お洒落なカフェを併設した観光果樹園に立ち寄った。



すぐ裏に葡萄と梨の果樹園があり、数組の客が葡萄や梨狩りを楽しんでいた。

あ、いや、

この猛暑の中、果物狩りに来た訳ではない。

直売所で、葡萄などを求めに来ただけである。



直売所。


「今年の葡萄は長雨で色付きが悪かです。甘さはの方は、あと1週間程で、例年並みになるちは思うばってん。」


あらそう。

確かに、今年は異常な長雨だったもんね。


「じゃあ、また来週伺います。」




アヂーーー💦



何しろ暑い。

車に戻るまでの数10mで、既に汗だくだ。

あまりの暑さに、脳に損傷を負ったらしく、



「折角やけん、何か甘いの食べていくぞ。」


普段なら、絶対近寄らないフルーツカフェのドアを開ける始末。



激しく後悔した。

当たり前の事だが、テーブル席に座っているのは、ほぼ女子女子女子である。

居心地が悪いったらありゃしない。


家内の注文は、輝くイチジクのパフェ。

ヤツが数日前に呟いた、


「あー、フルーツパフェば食べたか。」


は、ここに目出度くも成就された。


私はと言うと、季節のフルーツタルト(550円)である。



チョコレートソースを、ゴシゴシと梨に擦りつけ、


モグ


ふむ。

梨である。

そう言えば、550円ならラーメンが食えるぜ。

お洒落なタルトを食べながらも、私の脳裏は、豚骨臭漂う久留米ラーメンで占められた。


「あー、ラーメン食べたか!」



どうやら家内の脈略の無さを、私は笑えないようだ。

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