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Tシャツとサンダルの候

佐賀に行ったなら


樫原湿原からの帰り。




人気のうどん屋の駐車場が、この日は珍しく空いていた。


「今なら停めらるっぞ。昼はうどんにすっか。」

「おう。」



私の注文は、おろしぶっかけと、

別途もう一品。



「がん天、お待ちどおさまー。」


所謂、蛸入りのすり身揚げを、ここでは『がん天』と言う。

注文毎に揚げてくれる。

これが抜群に美味いのだ。



先ずはぶっかけだ。

大根おろしやら薬味やらを、グチャグチャとかき混ぜて、


ズルズルズルルーーー


コシがあって、中々によろしい。



そしてメインディッシュとも言うべきがん天だ。


ガブリ


相変わらず美味いぜ!





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川上峡の空を泳ぐ鯉のぼり。

この時期の風物詩だ。



佐賀に行ったなら、

がん天を食っただけでは帰れない。



大和酒造

本業の日本酒が旨いのは勿論だが、菱の実から作る菱焼酎が絶妙に良い。



「菱娘下さい。」

「そいぎ(それが)・・・」


この度、酒問屋に一括して卸す事になり、在庫分しか売れないとの由。


「ひゃー!!そんな御無体な。で、在庫は?」

「申し訳ありません。在庫はこっちなら・・・」



「トホホ。じゃあその『ほのか』を。ついでに肥前杜氏(純米酒)も貰います。」

「佐賀ならスーパーに置いてますから。」

「バッテン・・・(久留米やもん)」


この先飲みたくなったら、ネットで購入した方が早そうだ。



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中央マーケット。

目指す店に到達するには、正面の暗い通路を進むしかない。

勇気を出して突入だ。



死屍累々。

正に店舗の墓場である。

何か見えてはいけない物が見えたとしても、気づかないふりをして進もう。



通路を抜けた先で、一際光彩を放つのが、私が愛して止まない、餃子のテイクアウト専門店だ。




今時の薄皮餃子ではない。

厚めの皮で餡を包んだ、武骨とも言える餃子だ。

戦後、先代が満州から持ち帰ったレシピを、2代目となった娘が一人で守り通してきた。


このオバチャンが止める時、満州のレシピは途絶えてしまうのだろうか。

いつまでも元気で、作り続けて欲しいものである。


「佐賀に来たなら、この餃子が楽しみでね。また来まーす。」

「有難うございます。またお願いします。」

コメント一覧

minou_yamatai
一般的な餃子と比べたら、もっちりとした皮で、むしろ、野暮ったいかもしれません。
でも、それが癖になるんです。
「先代のレシピは寸分たりとも変えてません」
近頃の流行りに迎合せずに、いまだに野暮ったさを貫く2代目の言葉は、説得力があります。
高岡俊介
うちの近所にハルピンと云う餃子の店がありました。先代店主はハルピンに居たことがあったらしくそれは旨い餃子を食わせてくれました。
二代目になったらもう行かない。
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