新北神社からの帰り道は、大川経由で帰る事にしている。
行ってみたい店があるからだ。
その店とは、、、、
ここだ。
来々軒。 日本で一番スタンダードな名を持つラーメン屋である。
どうだ。
この年季の入ったモルタルの壁、色褪せた看板。
かつては鉢巻き看板だったであろうパネルの跡。
謎の窓埋め跡や、意味不明の簾も実にいい。
どうにもこうにも【昭和】なのだ。
こういう店を紹介する時、いつも言っている事だが、これらは決して皮肉ではない。
私はこういう店が大好きなのだ。
似たような画像だが、しつこいくらいに掲載する。
昭和の景観遺産として保全するよう、大川市役所に働きかけたいくらいだ。
・・・大川市民じゃないけど。
実はこの画像、食事を終えて、店を出る時に撮ったものだ。
私が店の前にチャリで着いた時は、まだ営業前のようで、暖簾も出ていなかったのだ。
(ありゃまあ。どうしようかな。ここで帰るのも残念だよな。)
店の前でぼんやりと佇んでいると、少し扉が開いているのに気がついた。
恐る恐る、扉を開けてみると、70年配の老夫婦が、テーブル席に腰掛けて、新聞を読んでいた。
「まだですよね、この店。」
「そうばってん。よかよ、入らんね。準備は終わっとるけん。」
これが店内である。
カウンターとテーブル席が数席、奥には小上がりもあり、思いのほか広い。
カウンター上の壁には、店主が釣り上げたであろう大物の魚拓が。
『このスペースはお品書きだろう!』と言ってるようじゃ、まだまだ素人である。
この脈略の無さが良いのだ。
こうでなくちゃいけないのだ。
もう、何から何まで完璧である。
胸が一杯になってきた。
注文したのは、言うまでもなくラーメンである。
既に、豚骨の良い匂いがここまで漂ってきている。
この匂いだけで、この店の実力が分かる。
間違いない。
「ラーメンお待ち。」
おお!!
思った通りだ。
何も変わらない、昔ながらの久留米ラーメンの系譜が、ここ大川の地に息づいていた。
ズルズルズルーー
久留米ラーメンらしい豚骨の奥深い風合い。
流石である。
無理に開けて貰って良かったよ。