華の金曜日、
私は鳥栖の友人を誘って、文化街へと繰り出した。
暖簾をくぐるのはここ。
毎度おなじみ【かけだおれ】である。
「毎度おなじみ」とは書いたが、一つだけ大きく変ってしまった事がある。
あの人なつっこい笑顔で接してくれた大将が、もういないと言う事である。
「大将・・・残念やったね。」(私)
「今年の一月でした。元々持病があったけんね・・・」(おかみさん)
歳を重ねるという事は、見慣れた景色が、一つずつ消えていく事らしい。
代替わりした店内には、以前はなかった黒板が架けられている。
幾つかの新メニューも見えるが、
「ビッシュおまちどうさまー。」
私達は、いつものこれでスタートだ。
続いて、これも定番中の定番、ダルム。
「うま!」(友人)
「他所と違うもんね、ここのダルムは。」(私)
相変わらず絶品である。
『ダルムばビッシュの汁につけても、また美味しかとよ。』
そう言って、私にダルムの食べ方を教えてくれた大将。
今宵は故人を偲んで、ダルビッシュで味わうとするか。
一方、新メニューも幾つか頼んでみた。
これはコンニャク串。
うん、いけるやん。
「俺、梅サワー頼んでみよっと。」(友人)
この飲み物も、以前には無かったメニューである。
華の金曜日とあって、店内は満員札止め状態。
ずっと変らない物、新しく登場した物。
新旧ラインナップで、我が【かけだおれ】は大繁盛である。