九州地方は、例年になく梅雨入りが遅れている。
ダム貯水率の危機的低下が叫ばれる昨今、各地で水不足が深刻化している。
とは言え、どうやら水曜日からは、まとまった雨が続くようだ。
梅雨入り間近である。
それならば、今の内だ。
何がって?
山登りに決まってるじゃないか。
目指す山は、一年ぶりの大船だ。
大曲登山口からスタートである。
暑くなりそうだ。
というか、朝からすでに暑い。
登山道を進み、鉱山道路と合流したら、硫黄山が正面に見えて来る。
そこから砂防堰堤を左に降りて行くと、スガモリ越えのガレ場だ。
ガレ場を登るには、ひたすらヒーコラと喘ぐしかない。
ヒーヒー言いながら登っていると、やがてスガモリの避難小屋に出る。
ピーカンの三俣山を眺めながら、給水タイムにするか。
折角ヒーコラと登って来たが、今度は反対側の北千里に降りる事になる。
遠く大船の頂きが見える。
荒涼とした北千里を、坊がつる方向へ暫く進むと、
猿岩が見えて来る。
猿岩の先から、更にガレ場を降りて行く。
坊がつるが眼下に広がってきた。
ガレ場を降りて行くと、やがて法華院温泉山荘に辿り着く。
ここで、2回目の休憩だ。
坊がつる。
ここに降り立つのは、一年ぶりだ。
九重の山々に囲まれるこの場所は、ある意味、九重連山を象徴する聖地と言っていいだろう。
ここでは、体を360度回転させて、素晴らしい景観を楽しもう。
それでは、目指す大船山へ。
大船山登山道に入るとすぐに、深い樹林帯とガレ場が待っている。
大船は、何度登ってもタフな山である。
ここから段原までは、スガモリ超えの3倍ぐらい、ヒーコラ喘ぐ事になる。
ゼーゼーと荒い息を吐きながらも、やがて空が開けてきて、
段原とうちゃーーー、、、、、、あれ?
「何してんの?」
「避難小屋作ってます。」
そう。
この作業員は決してウ〇チしている訳ではない。
資材を抱えようとしている最中なのだ。
とにかく一旦小休止。
休憩後は、先に北大船を済ませておこう。
灌木に体を擦られながら、狭い登山道を進むと、
サクッと北大船山頂到着。
休む間もなく、再び灌木のトンネルを引き返す。
段原まで戻り、そのまま大船方向へ樹林帯を進むと直ぐに、避難小屋の工事現場だ。
作業員の方と、ちょっと立ち話。
「いつごろ完成予定ですか?」
「8月末の予定ですが、間に合うかどうか。」
建物の広さは6m×4mの24㎡。
コンクリート造りとなるのだそうだ。
「皆さん、毎日ここまで、登って来てる訳じゃないよね。」
「そこにあったプレハブに皆で寝ています。風呂?入ってませんよ。」
「ひゃー、これから暑くなるのに大変だ。お疲れ様です!!」
ほんの少し前まで、九重の主役だったミヤマキリシマやドウダンツツジに代わり、ツクシヤブウツギのピンクが目立つ。
イワカガミも花は落ち、その名の通り、鏡状の艶々とした葉っぱのみとなっている。
岩場の急斜面に差し掛かる。
ベニドウダンの絨毯。
頂上斜面には、数株のミヤマキリシマがまだ残っている。
三俣山方向。
北大船方向
最後のガレ場だ。
よっこらせっと。
山頂到着。
九重の名峰達が一望だ。
御池(おいけ)にも降りてみよう。
中岳の御池(みいけ)と違い、こちらは新緑に縁どられ、また違った味わいがある。
珍しく山頂に1時間近く滞在した。
日差しは強かったが、時折吹く爽やかな風に助けられ、溶ける事も無く、快調に下山した。
九重満喫の一日となった。