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Tシャツとサンダルの候

ウメ、表情をなくす


ウメは7歳になった。

我が家の歴代の犬や猫は、この年齢に達したら、定期的な健康診断を受けさせてきた。

特にウメは太りすぎだ。

早めに受けた方がいいだろう。


「ウメ起きろ。良いところに行こうか。」

「フニャ?」



ウメをだまくらかしてキャリーバッグに入れたら、間髪入れず動物病院へ。


ドピューン




「健康診断ですね。そちらのソファーでお待ちください。」


時折、フニャーと不安げな声を上げるも、ウメは思いの外落ち着いている。



ウメの順番となった。

診察台に乗せられ、先ずは触診。

それが終わると血液検査である。


ブス


「あら、お利口さん。こんなに大人しく注射させてくれる猫、初めてです。」

「あまりの衝撃で朦朧としてるのかも。」



検査結果は、


「どこにも問題ありません。いたって健康です。」

「こんなにデブなのに?」

「どうにもこうにも健康です。立派な健康デブですな。」


お墨付きを貰った。

先ずはひと安心である。



健康診断の結果に気を良くした家内。


「ウメ。大人しく注射させて、えらかったねえー。」


そう言うやいなや、家内はウメを抱き上げ、何故か爪切りである。

(1分25秒 相変わらずテレビの音声が邪魔だけど)


お利口さんのご褒美なら、当然チュールかと思いきや、

何と爪切り!

あまりにも理不尽な仕打ちに、表情を無くすウメが……哀しい。




グレなければいいが。


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