Tシャツとサンダルの候

娘からの贈り物

「ピンポーーーン。郵便局でーす。」

 

 

ほえほえ。

 

 

 

ん?

娘からだ。

 

『贈り物でございます』

 

 

とな?

 

 

日曜日に届けられた荷物は、福岡に就職した次女からのゆうパックだった。

 

 

バリバリバリ 

 

 

娘からの贈り物と聞いては、悠長にはしておれぬ。

ほぼ木端微塵と言っていいほどの勢いで、段ボール箱を粉砕した。

娘を持つ世の父親なら、分かってもらえる筈だ。

 

「止めんかー!!! 私が開けるけん、落ち着け。」(家内)

 

うるせえ!

 

リボンだ。

 

ようやく辿り着いたぜ。

 

フラン・フラン?

 

マッサージ? 

あれだ。

これって、初めての給料で、親へのプレゼントっちゅうやつだろ。

 

 

グシュン

 

 

娘よ。

 

お前の父は、初めての給料は、貰ったその日のうちに、大半は中州に、後は生活費に全て消えた。

両親への贈り物なんか、頭の片隅にも思いつかなかった。

お前は、父に似ず優しいやつだな。

 

さっそく、使ってみた。

気持ちええーー!!

 

何よりだ。

私も家内も腰に持病があるし、長時間の運転は、最近苦になっているぐらいだ。

これ、キャンピングカーの旅にも持って行こう。

 

 

 

 

なんちゅうか、そのー、

 

ありがとよ。

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