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Tシャツとサンダルの候

佐賀蓮根と佐賀チャンポン


週末

吉祥寺に住む弟夫婦が、我が家に遊びにやって来た。

認知症がすっかり進んでしまったお袋との面会を終え、その後は墓参り。

墓前で手を合わせながら、


「そういや、うちの家紋て、名前何てったっけ?」(弟)

「えーっと、親父が昔、何とかって言ってたな。大体、聞いたそばから忘れとるもん。皆目覚えとらん。」(私)


親父よ。

不肖の息子に実家を継がせたのが間違いだ。

江島家の家紋は私の代で途絶える。

そして、弟よ。

悪いが、江島家に家紋など、端からなかった事にしてくれ。



墓参りが済んだら、


「ビール飲むか?」

「お、いいね。」


家内の手料理をつまみながら、明るいうちから、宴会に突入したのは言うまでもない。



翌日

飛行機の時間には、少し余裕がある。


「どっか遊びに行くか?太宰府とか・・・」

「そんなら、白石の蓮根ば買いに行きたか!」


何故かと問えば、

我が家の食卓にのぼる蓮根(白石産)は、関東の蓮根とは、


「全然違う!」(義妹)


のだそうだ。

随分と地味なリクエストだが、蓮根好きの弟夫婦の希望だ。

白石まで車をかっ飛ばすしかあるまい。



と言っても、弟夫婦も私らと同じく二人暮らし。

そんなに量が買える訳ではないが、諸々買い物を済ませたら、



「チャンポン食うか。」




いつもながら大賑わいの店内。

メニューを手に取ると、


チャンポンの麺抜き?

なんじゃこりゃ。

しかも、麺がないのに金額は一緒だと?

謎すぎる。


「誰かこれ注文してくれ。俺は、チャンポンにキクラゲ追加にするけどな。」(私)

「じゃあ俺も同じで。」(弟)

「私も。」(義妹)

「私も。」(家内)


ちぇ、面白くないヤツらだ。

誰か犠牲になれよ。

自分の事は棚に上げて、文句をたれる兄であった。



「チャンポンにキクラゲトッピングでーす。」


来た来た。

チャンポンは、黒山のキクラゲだかり。



「凄かね、真っ黒やん。」(弟)

「凄かろ。」(私)



そんじゃ、


ズルズル


煮込まれて、スープを吸ったチャンポン麺が美味しいぜ。

麺抜かないでよかった。


二口目からはソースをタラリ。

正しいチャンポンの食し方である。






ご馳走様でした。

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