「昼飯はカレーにすっか。」
「あー、ここね。」
LION CURRY
カレーはカレーでも、スリランカのカレーを提供するお店だ。
「ゴチュモン、ドシマスカァ?」
「えーっとね。ライアンカリーで、辛さは・・・」
「オマタセマイタ。ライアンカリー5カラデッス。」
来たか。
この店最恐レベルの激辛だ。
フッ、ちょこざいな。
俺様を甘く見るんじゃねえ。
ドバドバドバ
「大丈夫かとね。」
「だーいじょうぶ。なんちゃなか。」
じっと見てみる。
そこにあるのは、まさに血の池地獄。
鶏や野菜の阿鼻叫喚が聞こえてきそうだ。
これだもん。
一般的なカレーのイメージなど、最早どこにもない。
ご飯が真っ赤である。
ガブリ
ゴックン
ほーら、何てこと・・・
(*゚Д゚)*゚Д゚)(*゚Д゚)ォォォオオ
ガヒーー!!
こ、これは。
辛いなんて、そんな生易しいものではない。
適切に表現するなら『痛い』だ。
まさに口内暴力。
ひと噛みひと噛み、小さなスリランカ人が口の中で暴れ回る。
「うー、半分食ったぞ。」
「声がかすれとるよ。」
ランチを楽しむ。
そんな気分など、既にどっかへ飛んでいってしまった。
この時点でのランチの焦点は、如何に痛みを少なくするか。
この一点に尽きる。
その為には、カレーの口内滞留時間を、できるだけ短くするしかない。
口に入れたら、電光石火で飲み込む。
咀嚼など二の次だ。
まさに『カレーは飲み物』を地で行く荒技である。
ハヒーハヒー
どうだ。
乗り切ったぜ!
翌日
私の腸は木っ端微塵に崩壊した。