気が滅入る事があり、少し落ち込んでいる。
こんな時は、どこかに外出するのが一番だ。
「あそこに行こうぜ。」
新宮の港から船に乗り、
向かった先は、
猫の島、相島(あいのしま)である。
落ち込んだ気分を、大量の猫に癒して貰おうと言う寸法だ。
尚、この件はウメには内緒である。
早速、一匹の茶トラが近づいてくる。
小雨にもかかわらず、律儀にお出迎えのサービスである。
島の猫はどの猫も警戒心ゼロ。
茶トラの前にしゃがみ込みカメラを構えると、突進する勢いで近づいてくる。
お、おい。早すぎるって。
フォーカスが間に合わんやんけ!
集落を抜けて、海岸線に出たあたりで雨上がる。
一匹の黒猫が家内に近づき、しきりに何かを訴えかけている。
食べ物のおねだり?
だが、餌やりは禁止なのだ。
「何?何も持ってないよ。」(家内)
「フニャー」
このオバサンは何もくれないと判断するや、やおら踵を返し、防波堤へ向かう黒猫。
仕方ないので頭を撫でて、ご機嫌をとる家内である。
眼鏡岩
それぞれの雨宿り場所から、一斉に顔を出す猫たち。
たくさんの鳶が集まっている。
島の人間が、空に向かって餌を投げているからである。
そのおこぼれを貰う猫。
いいねえ、この曲がりくねった路地。
漁村らしい風景だ。
念のため言っておく。
ここまで茶トラが数匹登場しているが、全て違う猫である。
耳カットの形状が、それぞれ微妙に違っている。
島の猫は大半が、避妊処置がなされているようだ。
そろそろ船の時間である。
桟橋へ戻ろう。
待合所もこの通り。
さらば相島。
お陰で癒やされたよ。
また近いうちに訪れて、今度は古墳時代の遺跡なども見たいものだ。