Tシャツとサンダルの候

玄海旅館で海の幸を堪能する。

私の兄弟は、相模原に住む長兄、吉祥寺に住む弟、それと石巻の亡くなった次兄である。

男ばかりの4兄弟で、私はまことに中途半端な、3男という立場になる。

いずれにしても、九州に住んでいるのは私だけである。

 

それぞれが、いい年になり、時間の余裕も出来た。

法事にかこつけて、兄弟夫婦で旨いものでも食いに行こうや、と誘った。

無論、一泊でだ。

かと言って、法事が終わってからの出発だ。

あまり遠くへも行けぬ。

やって来たのは、宗像神湊の玄海旅館。

過去、何度かここで食事をしたことがある。

その度に、新鮮な魚とその量に驚いたものだ。 

 

先にお風呂に入り、夕食の時間を待つ。

「夕食の支度が出来ました。」

 

お、待ってたぜ。

ヒャッホー

鯛の活き作り。

 

立派だろう。

でも、これで生唾を飲み込むのは早い。

 

 

なんてったって、

 

 

 

フグなのだ。

偉大なるトラフグ様の薄造りなのだ。

 

箸で贅沢にズイッと一掬い。 

ポン酢にちょいと浸けて、、、

 

 

モグ

 

 

くぅー、堪んねえぜ!

プリップリだよ。

アラカブの唐揚げ。

 

鱈の西京焼き

 

アオナの煮つけ

この他にも、フグ鍋や茶わん蒸し他、次々に運ばれてくる。

 

「もう、だめだ。食えん。」(長兄)

「すごかね!」(弟)

 

これでもかという程の料理の洪水と美味い酒。

それと、楽しい会話。

おっと、忘れてた。この日は親父の法要だった。

親父の思い出話にも花を咲かせた。

翌朝。

旅館を出たらすぐ砂浜だ。

ゴムボートでこれから沖に釣りに出る二人組がいた。

暫く見ていたが、四苦八苦しながらも、なんとか沖に出て行った。

旅館の朝食。

昨日あれだけ食ったのにも係わらず、何故か旅館では食欲が出るんだよね。

普段の朝食はお代わりなんかしないのに、旅館ではお代わりしてしまう人って多いのではなかろうか。

 

 

御馳走様でした。

とっても美味しかった。

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