事務的な要件があり、二人して、お袋が入所する高齢者施設へ。
思いもよらず、1年ぶりの面会も出来、その後は、いつものうきは市へ。
ちょうど昼飯時、豚カツが評判の店の前を通りがかった。
「ここで食べるぞ。」(私)
「あー、いいね。」(家内)
初めての店である。
確か、豚カツは予約が必要との話だったが、
「うんにゃ。今はコロナで少なかとよ。予約は要らんです。」(店のおばちゃん)
「では豚カツで。」(私)
「お待たせしました。先ずは何も付けんで食べてみて。その後は塩でどうぞ。」
厚切りのロース。
東京Xと言うブランド豚らしい。
肉汁が凄い!
肉が汗をかいている。
では、何も付けずに。
ガブリ
こりゃまた、
ジュワーッと来たぞ。
すんげえ、美味い!!
豚汁だって東京Xなのだ。
モグモグモグ
ズズズー
美味いのは間違いないが、食べ進めていく内、
「私もう・・・食べきらん。」
肉汁ジュワーって事は、超コッテリと言う事だ。
ヤツは、道半ばで倒れてしまう。
結果、
ヤツの食べ残しの3切れと、あろう事か食いかけまでもが私の皿に。
ケッ、
情けないヤツだ。
よし、任せとけ!
カタキはとってやる。
生まれつき胃もたれ知らずの、胃液ジャブジャブの俺様だ。
ジャブジャブ過ぎて、逆流性食道炎になってるぐらいだ。
こんなもん、瞬時に消化してやる。
モグモグモグモグ
モグモグモグ
モグモグ
モグ
モ・・・・・グ
うーーーん。
その日の夜。
家内は晩飯は食べないと言う。
「おっちゃんは?」
「俺か?俺は・・・」
ビールと冷や奴と言うのが精一杯だった。
この日、
天下無双を誇る私の胃袋が、完敗を喫する日となった。
恐るべし、東京X。