毎年この時期になると、九州で唯一のスズラン自生地、
波野のスズラン公園に出かけている。
牧草地の一画、柵で囲われた小高い丘が、その場所だ。
すぐ隣では、肥後の赤牛たちがのんびりと草を食んでいる。
天気が良い・・・と言うより、良すぎである。
完全に真夏日だ。
暑い!!
すぐにTシャツが汗ばんできた。
それはすぐに見つかった。
ひっそりと首を垂れるように咲くスズラン。
陽光を浴びるスズラン。
日当たりのいい斜面には、色とりどりの山野草が咲く。
ナルコユリはこれからかな。
キンポウゲ
サワオグルマ
キスミレもしぶとく残っていた。
「シライトソウだ。ワーイ!」(家内)
ハイハイ
良い匂いがするそうだが、今回も鼻を近づけるのを忘れてしまった。
ニワゼキショウ
「あ、ヒトリシズカだ。ワーイ」
何か知らんが、叫ぶのは止めろ。
それにしても、暑いぜ。
汗を拭きながら、カメラのシャッターを押していると、この辺りに詳しそうなオジサンから、
「南阿蘇ビジターセンターがよかですよ。」
ほほう。
てなことで、ここだ。
波野のスズラン公園から、30分程車を走らせれば、高森の南阿蘇ビジターセンターに着く。
ビジターセンター裏は広大な自然公園になっている。
センター内に入ってパンフレットなどを見ていると、職員のオバサンが出てきて、
「何処からおいでになりました?え、久留米?まあまあまあ(距離感が中途半端と言いたげ) よかったら、園内を案内しましょうか?今はですね、あれとこれとあれと・・・」
話が止まらない。
昼食の予約の時間もあるし、
「いや、今日の所は適当に見させて貰います。」
丁重にお断りする。
公園内は自然のままの散策路となっている。
ヘビイチゴ
展望台があるという。
『展望台からは、根子岳やラクダ山が見られますよ。まー、今日は視界が悪くて残念ですけど。そうですよ。PM2.5ですよ。いつもなら、それは見事で、あーた。そうそう、今なら、ミヤマキリシマのピンクも見られるんですけど・・・』
少し前の、オバチャンのオシャベリ砲が頭に浮かんできた。
登ってみるか。
トキワハゼ?
「こっちは、フタリシズカちゃんだ。」(家内)
カノコソウにとまる蝶。
15分ほど登って行くと、
どうやら、あそこが展望台らしい。
ここまで登って来て、すっかり汗びっしょりだ。
根子岳。
オバチャンが言うように、大陸からの贈り物のお陰で、この日の阿蘇は霞んでいる。
これがラクダ山?
おっと、もうこんな時間だ。
飯だ、飯!
とっとと降りるぞ。