赤口号にもリコールの通知が来ている。
今日の午前中、ディーラーへ持ち込んだ。
「予約していた江島やけど。」
「ご迷惑おかけします。2時間ぐらいかかります。代車用意します。」
「要らん、要らん。」
どうせ普段は、髙良山に登っている時間である。
そこらを歩いて時間を潰せばいい。
前方に見える下品な、、、いや、えーっと、
ちょっぴり派手な鳥居は、久留米成田山である。
遠い夏の日、
幼かった私は、すぐ上の兄貴に連れられて、よくここに虫取りに来ていた。
当時、この付近に寺院は無く、赤茶けた禿げ山があるだけだった。
禿げ山の頂上には古墳があった。
当時あったのは、こんな立派な建物ではなく、ブロック作りの粗末なものだった。
ブロックの隙間からは、中の石棺がまるっと見えていて、
兄貴はそれを指さし、今でも中にミイラが眠っているかの様に話し、
「ちゃんと拝まんと、祟らるっとぞ。」
その度に幼い私は、恐れおののき、手が擦りきれるほど拝んだ。
そんなお茶目な兄貴も、今はもういない。
少し移動。
浦山公園である。
記憶が曖昧だが、兄貴と虫取りしていたのは、おそらくここではなかろうか。
勿論、こんなに整備された公園ではなく、鬱蒼とした、ただの森だった。
家の近場では、先ずもってお目にかかれない玉虫を捕まえた時など、
二人して大はしゃぎした事を覚えている
いつの間にか、紫陽花の季節になっていた。
具合でも悪いのか、ヒョウモンが逃げもせずに遊歩道で羽を休めている。
この公園全体が、幾つかの古墳の集合体だ。
前方の小高い丘もそうである。
このエリアには2基の古墳がある。
時は移り、
娘達が当時の私と同じ年頃になった頃、よくここで弁当を広げて遊んだものだ。
懐かしい思い出である。
言っておくが、
私は、あの夏の日の兄貴のように、娘達を怯えさせたりはしていない。
そろそろ、2時間になる。
リコール整備は終わったかな?