くじゅうに登ってから先、股関節の調子がよろしくない。
天山を最後に、暫く山歩きは控えてきた。
ここ最近、登り降りの負荷がない状況では、痛みは気にならない程度にはなっている。
街歩きなら、多分大丈夫だ。
試運転がてら、軽く歩いてみた。
自宅から西鉄久留米駅を経て、池町川に沿って歩く。
途中から一番街のアーケードへ。
銀座街から移転してきた又兵衛。
久留米の名店の一つである。
一番街から二番街を過ぎ、
あけぼの商店街へ。
昔の活気、今いずこである。
あけぼの商店街を抜け、左に折れてすぐ。
降りたシャッターの前で、私は呆然と立ち尽くす事になる。
むつもん饅頭閉店!
何たることか。
また一つ、久留米の名店の灯が消えた。
2017年。
在りし日のむつもん饅頭。
厨房で、かいがいしく働く老夫婦の姿が思い出される。
饅頭の名を冠してはいるが、純然たる大衆食堂だった。
あの時、私が食したのは、名物のチャンポン。
家内はカツ丼だった。
そしてそして、代名詞でもある回転饅頭だ。
どれもこれも、美味しかったのは言うまでもないが、
外連味のない普遍的と言うべき味だった事を、付け加えたい。
大衆食堂の鉄則である。
この文化財とも言うべきレシピが、久留米の街から消え去った。
今年の久留米は、老舗の閉店が相次いだ。
創業100年を超える中華料理店光華楼。
文化街入口の甘栗屋ヤマダのあまぐり。
そしてあの松尾食堂(画像は2017年の物)も。
残念!!