何故かこんな所にいる。
蔵迫温泉オートビレッジさくらである。
数人のキャンプ仲間と、この場所で落ち合う事になっているのだ。
暇人日本一を目指す私である。
1時のチェックインと同時に、キャンプ場一番乗りだ。
ローケーションが一番良さそうなサイトに車を停め、設営開始だ。
設営完了。
何はともあれ、取り合えず、
トクトクトク
見晴るかす山並みに乾杯。
グビリ
これを至福の時と言わずして、何と言おう。
酒のあては、乾き物で十分だ。
噴煙たなびく阿蘇中岳。
そうこうするうち、このブログにも度々登場する、上陽で茶畑を営んでいる一個下の後輩が到着だ。
飲む相手がやっと来たぜ。
こうなると乾き物では追いつかない。
そろそろ、七輪の火を起こすか。
他のメンバー達も、三々五々とキャンプ場に到着だ。
顔ぶれは私と、U先輩とその友人のMさん。
これまたU先輩の知人のYさん。
それと、先程の私の後輩だ。
それぞれが、テーブルと椅子と料理を持ち寄り、3時前から宴会スタートである。
続いて七輪の上には、肉厚の原木椎茸が乗せられた。
ワーイ
このお方は、恐れ多くも佐賀牛様なのだ。
普段決して我が家の食卓に上る事のない、上等の霜降り肉が、Yさんの手によりテーブルに横たえられた。
神々しき姿を前に、危うく土下座するところであった。
「七輪で焼いてみんなで食べましょうよ。」
「マジすか！」
堪らん。
これは後輩が持ってきた巨大原木椎茸。
ここまでなると、売り物にならないんだとか。
傘が開いている割には肉厚だし、味だって寧ろ普通サイズより美味いのに、もったいない限りである。
Yさんが拵えてくれた鴨鍋に追加投入する。
この一枚の椎茸だけで、折角の鴨鍋が、最早キノコ汁の様相を呈してしまった。
大した存在感である。
とっておきのシングルモルトもありまっせ。
さあさ、飲みねえ、飲みねえ。
キャンプサイトのすぐ下は牧場となっている。
夕暮れ時になって、厩舎へ帰るのだろうか。
目の前を数頭の馬たちが、のんびりと同じ方向へと歩いて行く。
夕日を浴びる栗毛の馬。
夕日を浴びる白髪の酔っぱらい。
稜線に太陽が沈む。
日没である。
陽が落ちると、途端に気温が下がりだす。
この時点で、既に気温0度である。
うー、さむ！
本格的に酔っぱらう前に、このキャンプ場自慢の温泉へ入るとするか。
チャポン
画像ではぼんやりと写ってしまっているが、紅葉越しに下弦の月がくっきりと浮かんでいた。
月見風呂とは、乙なもんだ。
暮れなずむサイトに戻る。
U先輩のシルエットの傍には、燃え盛る炎である。
これが何よりなのだ。
これがあるから、冬キャンプが好きと言っていい。
冬キャンプ万歳！！
