みつばちマーサのベラルーシ音楽ブログ

ベラルーシ音楽について紹介します!

トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 6 「京都観光 泉涌寺・即成院・清水寺」

2008年03月17日 | トーダル
 2月20日夕方、新幹線で京都駅に到着したベラルーシ隊はタクシーに乗り込み、無事マーサの実家に到着した。ああ、感動の再会。(よく考えたらみんなすでに顔見知りだったなあ・・・。)
 そこでマーサ母の手料理を食べたり、歌を歌ったりして楽しく過ごした。
 
 翌21日は日本に帰ったら、マーサ一家がまずしなくてはいけなかったこと、墓参りに出かけた。
 マーサの祖父ははちの子が生後1か月の新生児だったときに亡くなり、ベラルーシで出産したマーサはお葬式はもちろん、墓参りにも一度も行っていなかったので、この機会に絶対行かなければならなかった。

 最初の京都観光がいきなり墓参りになってしまい、マーサ一家の一員ではないトーダルには申し訳ない、と思った。しかし、日本へ旅行に来て、日本の墓を間近で見られるベラルーシ人もあまりいないだろうし、トーダルにとっては興味深いかも、とも思った。
(実際、帰国後、ベラルーシのマスコミに「墓地にも行った。」と話している。)

 親戚(マーサ祖母、父、大叔父さん、大叔母さん、父のいとこ)も合流し、泉涌寺近くの墓地へ行った。
 マーサや捨平、はちの子(「ほら、ここにあんたのひいおじいちゃんが・・・。」と言うと「ひいおじいちゃん? どこ? どこ?」ときょろきょろしていた。)は墓前で手を合わせた。
 トーダルは墓石に家紋が彫られていることに、感心したらしく、アップにしてマーサ家の家紋の写真を撮ったりしていた。

 その後せっかく来たので、近くの泉涌寺に行った。京都で初めて観光する寺が泉涌寺、という外国人観光客は少なかろう。
 マーサ自身はあまりにも大勢の観光客でごったがえす有名な神社仏閣は少々苦手である。
 2月の泉涌寺は静かで本当によかった。泉涌寺についてはこちら。

http://www.mitera.org/HTML/INTRO/INTRO~1.HTM


 日本に来て初めてお寺に足を踏み入れ感動したトーダル。写真をとりまくっていた。日本人はあまり撮らないような物、たとえば、木の門の取り付けられている金属製の飾りのような止め具や、紐でゆわえつけられている竹垣とかがおもしろいらしい。 
 
 なかでも一番気に入ったのが、画像の浴室。
自分のネマンやしきの庭にこんな浴室を建てたいそうだ。(ネマンやしきとは、生まれ故郷の町を流れるネマン川のほとりにある、トーダルが購入した一軒家のこと。やしきという名称には少々語弊がある。まあ、ムーミンやしきのようなものと思ってくだされば・・・。「トーダルの人生 1 デビューまで」の画像を参照。)

 その後、マーサと捨平の念願の即成院へ行き、那須与一のお墓参りをした。
 即成院についてはこちら。 

http://www.gokurakujyoudo.org/


 そこではやたらとお守りを買った。即成院も人が少なく、静かに参拝できて本当によかった。那須与一のお墓はお寺の奥深いところにあって、人様の家の中を歩いて行くようで不思議な感じがした。

 非常に満足して、即成院を出ると、みんなでお昼ご飯を食べることになった。車が止められて、買い物もできるところ、ということで、ジャスコ京都五条店へ行き、そこで和食のお店へ入った。
 はちの子はおもちゃつきのお子様ランチを生まれて初めて食べて大喜び。
 トーダルと捨平は
「とにかく魚の料理をお願いします。」
と握り寿司と天ぷらとそばのセットを食べて、喜んでいた。

 そこへVesna!オーナーのうさぎさんから連絡が入った。
 今回のコンサートで「村祭」をオルケステル・ドレイデルさんと共演するのだが、日本のお祭らしく、うさぎさんと私ははっぴを着て盛り上げるよう、ドレイデルのリーダー樋上さんから言われていた。
 せっかくなのでトーダルにも「祭」と書いてあるはっぴを着てもらってはどうか、というアイデアだった。
 トーダルもあっさりと
「はっぴ? キモノのこと? ああ、着てもいいですよ。」
と了承した。 
 買ったはっぴはそのままトーダルにプレゼントとしてあげることになったのだが、コンサートに間に合うようにそのはっぴを買ってこなくてはいけない。
 京都の観光地に行けば、土産物店ではっぴが見つけられるかもしれないので、さがしてほしい、というのがうさぎさんからの指令だった。
 ということで、はっぴを探しに行くことになった。

 そこで、清水寺へ行くことにして、門前に連なるはっぴを売っていそうな土産物屋をしらみつぶしに探したが、なぜか「祭」と書いてあるはっぴはなかった。
 探し歩いているうちに清水寺に着き、参拝することになったが、京都一の観光客数を誇る清水寺。2月のオフシーズンでも人だらけ。やかましい・・・。

 それでもがんばってトーダルに「清水寺の舞台から飛び降りる」とはどういうことなのであるかを説明し、(トーダルは下を覗き込んで「飛び降りたくない・・・」とつぶやいていた。)「清水寺に来たらここで記念写真を撮るのが当たり前」スポットで写真を撮り、音羽の滝は長蛇の列ができていたので、並ぶのはあきらめて、そばの地主神社へ連れて行った。

 これは縁結びで有名な神社である。(ものすごくたくさんの人。そしてバレンタインのチョコの包みみたいなハートマーク入りのデザインのLOVEお守りが売られている。) 
 恋占いの石(英語の説明では「LOVE STONE」(^^;))の説明をしたら、トーダルとはちの子は二人でLOVE STONEに手をつけて記念撮影した。(それを見た捨平は不機嫌そうな顔。)
 しかし、正しくはこの恋占いの石は二つあり、目をつぶったまま一つの石のところからもう一つの石までたどりつけたら、あなたの恋は成就するという占いであって、二人で一つの石に手をつけたところで、結婚できるというものではない。

 いっしょに行った父のいとこは
「この神社にお参りしたら、半年後に結婚していた。」
というのだから、ご利益が本当にあるかも。

http://www.jishujinja.or.jp/


 しかし、この神社の奥にはわら人形を打ちつける木がある。マーサはLOVE守りより、このわら人形の木のほうが気になる木。(^^;)こっちも別の意味でご利益あるかも。
 ちなみに後でトーダルに
「京都観光、どこがよかった?」
ときいたら「清水寺。」と言っていた。しかし、おそらく彼は地主神社のことも清水寺と思ってそう答えたにちがいない・・・。
(さあ、「僕のヨーコ・オノ」は見つかるのか?)(^^;)

 清水寺を後にしたわれわれは、はっぴを求めて、京都クラフトセンターへ行った。少々お値段が高めだが、外国人観光客(そして私のように外国で日本のことを紹介する仕事をしている人間)にとっては、かゆいところに手が届くような、完璧なお店である。

 そこでは、ちゃーんと祭はっぴが売られており、一番大きいサイズを購入。色は舞台映えするよう赤を選択。やれやれ。
 他にも友人や親戚のお土産をいろいろ購入した。トーダルは最近外国人に人気の地下足袋を見て
「かっこいい! 自分のお土産にしたい。」
と言って、一番大きいサイズのを履いてみたが、入らなかった・・・。日本はどうも大きいサイズがないってことで、外国人観光客が困ることが多いよね。
 この後も「サイズが合わない」ことでトーダルは京都中を放浪することになる・・・。

(京都滞在第1日目に撮影した画像は、写真共有サイト「フォト蔵」内、「トーダルが撮ったニッポン 40」などで公開しています。)

http://photozou.jp/photo/show/180896/8903633



 

トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 5 「富士山」

2008年03月15日 | トーダル
 画像のように美しい富士山をバックに眠ってしまう、初来日のベラルーシ人歌手。
 しかしこの画像を撮影した後、揺り動かして(捨平は叩き起こして)目を覚まさせ、富士山を見せた。
 ベラルーシ人男ども二人は、「あ・・・富士山・・・」「きれいだな・・・」と感想を述べたものの、また眠ってしまった・・・。

 結局、興奮気味にカメラのシャッターを押しまくったのは日本人のマーサとマーサ父だけだった。

 帰国するとき、トーダルは
「日本滞在はまるで夢の中の出来事のようでした。本当にこれが夢だったら、どうしよう。」
などと言っていたが、間違いなく、富士山は夢の中の出来事だったと思うよ。

(このあたりで撮影した画像は写真共有サイト「フォト蔵」上で公開しています。こちらをクリック。)

http://photozou.jp/photo/show/180896/8796465





 

トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 4 「新幹線」

2008年03月14日 | トーダル
 そもそも、日本へ行くと決まってからは、どのようにして成田から京都までたどり着くか、という問題があった。要するに飛行機で行くのか、新幹線で行くのか? という選択である。
 これについては、飛行機で行くほうが移動が楽で、しかも割安なのではないか、という意見が日本側から出された。しかしそれに対し、まず捨平が
「新幹線! 絶対新幹線だ! だって日本にしかないものだろう!」
とわめき、トーダルがすぐにそれに同調し、地下鉄とチンチン電車と新幹線の区別が全くついていないはちの子ですら
「シンカンセン、シンカンセン!!!」
「時速300キロ!!!」
と騒いだため、新幹線で京都まで行くことになった。

 さらに私が
「天気がよかったら、富士山が見られるかもしれない。」
と言うと、
「やったあ、フジヤマ!」「フジヤマ、見たい!」
と騒ぎ出した。
 捨平などは職場の同僚から上司にまで言いふらかし、みんなから「絶対、写真撮って来い。」「ビデオを撮れ。」とまで言われた。

 しかし・・・実際に新幹線に乗り込もうとするころには、ご馳走でお腹がいっぱいなのと、日本酒と、睡眠不足と時差ぼけのせいで、マーサをのぞくベラルーシ隊全員が
「眠い・・・。」
「限界だ・・・。」
などとつぶやき始めた。
 天気は快晴・・・。
「待望の富士山が見えるよ。」
と言ったものの、睡魔に勝てない男ども。
 あれだけ、新幹線に乗りたいと子どものように騒いでいたのに・・・

 それでも捨平はホームの端まで行って、新幹線の頭の部分と記念撮影したが、トーダルはそれもできず、キオスクで
「これを飲めば目が覚めるはず・・・。」
とコカコーラを購入した。

 しかし、ご覧のようにコカコーラの効き目はなかった・・・
 もうすぐ富士山が見えるのに! おーい、起きろ!!!
 

トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 3 「上野」

2008年03月14日 | トーダル
 東京上野では、マーサ父の友人で、「月と日」を聴いてからトーダルのファン、というAさんが待ってくださっていた。
 Aさんは、トーダルが初来日し、しかも東京経由で京都へ行くと知って、
「ぜひ東京でお会いしたい。」
と連絡してくださったのである。しかも、お昼ご飯を上野公園にある高級料亭「韻松亭」でご馳走してくださるという。(韻松亭のサイトはこちら。)

http://www.innsyoutei.jp/index.html


 出発前にそのことを聞かされたトーダルは、びっくり。そりゃそうだろうな・・・
 そういうわけで、東京はただの乗り換え地点になるのではないか、と思っていたのだが、Aさんのおかげで、トーダルと捨平に東京を見せてあげることができるようになった。

 日本に着くなり、創業140年の老舗高級料亭に案内され、やや緊張気味のトーダル。
 懐石料理はどれもこれも本当においしく、美しく、繊細で、日本人の私でも感動するぐらいだったので、トーダルはショック状態でしたね。
 Aさんは世界中を写真旅行に出かけ、南極に2回も行ったこともある方でした。その南極の話をうかがいながら、食べるお食事。(マーサとはちの子には量が多すぎて、最後のほう痛恨の思いで、残してしまった・・・悔しい・・・)

 睡眠不足と時差ぼけ、今までいったことがないアジアの異国の地に降り立ったばかりという状況、初めて会ったばかりなのに自分のファンだと言う日本人から、ご馳走される超豪華な懐石料理。さらに南極の話。
 ・・・という渦巻きのような状態にぐるぐると吸い込まれたトーダルの心境はいかばかりか・・・
「何と言ったらいいのか、言葉が見つかりません・・・。」
とトーダルはAさんに言っていました。
 さっそく、日本での洗礼を受けたね。(^^;) 相当強烈なショックだったと思うよ。そしてトーダルが「日本」に驚かされれば驚かされるほど、うれしくなり、隣でほくそ笑むマーサであった。
 だってさ・・・せっかくはるばる遠いところを来たわけだし、トーダルには日本のことをいろいろ見聞してもらいたい、と思っているのだよ。できたら、日本のことを「一生忘れられないような国でした。」と思ってほしいわけですよ。 

 トーダルは「ベリーナイス、ベリーナイス。」と言いながら、食べていました。初めて飲む日本酒にも大喜び。
 そしてベラルーシには一度も行ったことがない、というAさんに
「ぜひ、白い塔の森に遊びに来てください。案内します。」
と熱心に誘っていた。南極に行ったことがある人に誘える場所といえば、ベラルーシでは白い塔の森ぐらいしかないかもね・・・。
(白い塔の森について詳しく知りたい人はこちらをクリック。)

http://belapakoi.s1.xrea.com/logs/tbs0415/menu.xhtm


 韻松亭の建物にもすっかり感心し、庭の梅の木や蜜柑の木の写真を撮るトーダル。上野公園も観光できたし、本当によかったです。
 上野公園では、公認の大道芸の許可をもらっている木琴の演奏家(「自分も許可もらおうかな?」と言っていた。)や、2月なので枯れた蓮の広がる不忍池や、「制服がおもしろい。」と中学生のグループを勝手に写していました。

 画像はトーダル撮影。先を歩くベラルーシ隊とAさん、マーサ父の後姿が写っていますが、春には満開にある桜並木とリヤカーをひいているホームレスらしき人を写したかったものと思われる。
(確かにあんな高級な食事の後、こういう情景を見ると、日本に来たばかりの外国人はびっくりしてしまうだろう。
上野公園では、咲いている梅の木の下で、観光客らしき女性二人連れがほほえみながら記念撮影していたのだが、そのすぐ横に大きなゴミ箱があって、ゴミが足元にあふれており、やたらやかましい英語の音楽を近くの店が流し、さらに梅の木のそばでホームレスの人が寝ていた。
「東京は少々『カオス』の街だと思う。」と自分の意見を述べておいたら、じゃ、キョートはどうなのか、ときかれた。それはトーダル自身の目で見てもらいましょう。東京だけ見て、それが全部日本だと思われるとちと困る。でもその前に富士山がベラルーシ隊を待っているのであった・・・)
 
 (上野で撮った画像は「フォト蔵」サイト上で見ることができます。こちらをクリック。)

http://photozou.jp/photo/show/180896/8733330


トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 2 「成田到着」

2008年03月13日 | トーダル
 さて、ウイーンを飛び立ったベラルーシ隊。これから成田まで11時間のフライト。
「こんなに長い間、飛行機に乗ったことがない。」
と言うトーダル。しかも、到着してからは忙しいから、今のうちに寝ておくように! とマーサが言ったにもかかわらず、
「飛行機の中で寝られない。」
と言うトーダル。
 じゃ、どうするのか、と観察してたら、やっぱスターだね。こんなときでも仕事のことを忘れない・・・
 ウイスキーを飲みながら、
 イヤホンを耳につけて
 イギリスのコメディー映画を英語で聞きながら
 おかしいシーンでは、クスクス笑い(しかし、彼、声量が大きいんで、クスクス笑いでも、機内中に響き渡る・・・。)
 ノートを広げて、ベラルーシ語で執筆活動をしていたかと思うと
 ポーランド語の詩集を広げて、ぶつぶつ朗読し(ポーランド語の発音の勉強だそうだ。)
 さらにロシア語のユーモア短編集を読んで、自分のラジオ番組用のネタを探し、
 窓の外をのぞきこんでは「ほら、あそこに満月が! ジューウゴーヤー 
オーツキサン♪」
 と鼻歌を歌い、
 機内食はわざわざ箸を使って、全部平らげ、(予想はしていたが、ご飯食べるの、めちゃくちゃ早い。)
 ウイスキーは可能な限りおかわりし、
「こんな大きい飛行機は初めてだよ。写真撮っておかなくちゃ。友達が誰も信じてくれないからね。」
 とマーサのカメラで、機内だの、窓の外に広がる雲だのを撮影していた。

 せわしない・・・ しかし、あと2時間ほどで成田、というときにさすがのトーダルも
「眠たい・・・」
とつぶやき、うとうとし始めた。 
 
 しかし、東京ではスペシャルプランがトーダルを待ち受けていたので、うかうか寝ていられなかったのである・・・。
 成田空港に到着すると、「日本に着いた!」と頭の中が興奮してしまったのか、さっさと歩き始めるトーダル。
 タバコが11時間以上吸えず、ふらふらになった捨平は、
「喫煙所はないのかああ?!」
とわめきながら、一時空港内で行方不明になり、はちの子の手を引いたマーサは二人の男どもの間を行ったり来たりして、疲れたよ。

 でも無事にパスポートコントロールを通過し、出迎えに来てくれたマーサの父に会うことができた。
 その後、成田空港から上野公園にわれわれは移動することになった。
 なぜ上野公園なのか・・・それは・・・(続く)

 画像は成田空港から上野へ移動中の京成線の電車内で撮影したものである。
 ベラルーシ隊は少々寝ぼけ気味である。
 
 日本の電車がおもしろかったらしく、トーダルは車内の扇風機や、車窓風景や駅の時刻表や、乗客の日本人の皆さんを勝手に写真に撮っていた。「探偵」の広告も撮っていたので、何の広告でどういうサービスが受けられるのか教えてあげたら、すっかり日本に感心した様子だった。(^^;)

(このときトーダルが撮った画像は「フォト蔵」サイト上で見ることができます。こちらをクリック。)

http://photozou.jp/photo/show/180896/8703377

 

トーダル"アリガトゴザイマシタア!"日本滞在記 1 「ミンスク出発、そしてウイーン」

2008年03月12日 | トーダル
 2月23日のトーダル日本初舞台に向けて、18日の晩、マーサ家に集合したベラルーシ隊。(マーサ隊長、ボディーガード捨平、バックダンサーはちの子、そして豪華ゲスト、トーダルの4名。)

 折りしも、その日の日本時間夕方、朝日新聞関西版にトーダルの記事が載ったという記念の日が出発日と重なった。何だか吉兆だ。
 しかし、CD「月と日」を扱う店、Vesna!では、新聞記事掲載のおかげで、注文が殺到し、あわてて昼間トーダルは「月と日」をかき集めて、トランクに入れないといけなくなり、約束の時間である午後10時を大幅に遅れてマーサ家に到着した。

 その後、旅立ちを祝って浮かれながら乾杯をしてたら、夜中の1時になり、2時間だけ眠って、午前3時起床。そして捨平の友達が運転するマイクロバスに乗って、空港へ出発した。
 トーダルは飛行機に乗ってからも
「今から日本へ行くなんて信じられない・・・」
と繰り返していた。

 機内でベラルーシの新聞を取ったトーダル。するとそこには、主役の代役を降板してしまったミュージカル「預言者」の記事が偶然載っていた・・・
 ため息をつきながら記事を読むトーダル。マーサもその記事を読み、トーダルから裏話を聞いたのだけれど、それは日本公演とは関係ないので、「預言者」記事に追加情報としてそのうち更新する予定。

 ウイーンに離陸すると、機内にワルツが流れるのだが、ウイーンに初めて来たトーダルは手で指揮を振りながら、鼻歌で歌い出した。(かなり浮かれている。)
 そして外国へ来ると、頭の中が自動的に英語に切り替わるのか、窓の外の滑走路を見て
「There’s no snow!」
 そして空港の中のきれいなお店を見ては
「ベリーナイス。」 
 と英語で話し始めた。
 
 ウイーンで乗り換えるのだが、待ち時間が5時間ほどある。トーダルは昨年11月にスウェーデンのコンサートに行った際、1年間有効のユーロビザをもらっており、ユーロ圏内の国ならどこでも行ける。
 初め、どういうルートで日本へ行くか検討していたとき、
「モスクワ経由か、ウイーン経由か。」
と話してたら、トーダルは
「僕はウイーンが好きだよ。行ったことないけど。」
 と言っていた。そりゃ、そうだろう、君は音楽家だもんな。
 と言うわけで、トーダルはマーサのカメラを借りて、一人ウイーン観光に出かけた。
(トーダルは「いっぱい写真を撮りたい。」と言っていたのに自分のデジカメを忘れてしまったので、貸してあげた。)
 
 日本人である私はウイーンの街に行こうと思えば行けたのであるが、ビザを持っていない捨平を空港に残しておくのもかわいそうなので、私たち家族は空港に居残った。

 出発1時間前、トーダルが空港に戻ってきた。変な写真をたくさん撮っている。
 このことについても、トーダルの頭の中が分かるようで、紹介したいのではあるが、ウイーンのことばかりブログに投稿しているといつまでたっても、日本にたどりつけないので、パス。 

 画像はウイーン空港。ゲートA4を通って、さあ、TOKYOへ・・・!

とりいそぎお礼&ブログでの紹介記事

2008年03月12日 | トーダル
 おかげさまで、トーダルの初来日コンサート大成功しました。
 会場に来て下さった皆様、共演してくださった皆様、感謝してます! 私もトーダルも!

 これから少しずつですコンサートのことやトーダル日本滞在の記(^^;)を更新しますので、お楽しみに!
(早く更新したいのですが、時差ぼけで眠くて頭が回らない・・・)

 それまで、このブログをご覧ください。マトリョミンで共演された方のブログです。うちのむすめっこ(はちの子)の画像も載せてくれてありがとう。マトリョミンのこともこのブログで書く予定です。

http://yaplog.jp/ganymede/archive/342


http://yaplog.jp/ganymede/archive/348


 それとトーダルの公式ブログにも日本関連記事があります。
 まずはウイーンからの速報。

http://generation.by/news2200.html

 これは帰りの経由地、ウイーンでベラルーシ人記者から受けたインタビューの記事と画像ですね。記事はベラルーシ語です。(近いうちに日本語に翻訳しますね。)
 ちなみにトーダルが手にしているのは私のデジカメ、着ているアディダスの服は、京都白梅町のイズミヤでトーダルが自分用土産に買ったものです。(笑)
 
 ベラルーシ人のコメントも集まっています。ただ、トーダルは今フランス公演に行ってしまい、忙しいのでブログに自分の意見とか感想はまだ書いていません。
 早く書いてほしいですねえ。


トーダルのライブ出演について

2008年02月22日 | トーダル
 すでにお知らせしていますように、もうすぐトーダルが初来日、日本で2回のコンサートに登場します。
 2月23日のコンサートではプログラムが配られ、「月と日」収録曲以外でトーダルが歌うベラルーシ語の歌(「緑の樫の木」「道」「海」)の歌詞の日本語訳が掲載される予定です。
 しかし3月1日のライブでは、プログラムは作成されない、ということで、マーサ&トーダルは少々がっかり。
 何せ、ベラルーシ語が分かる日本人はほとんどいないので、トーダルが歌を歌っても、意味が分からないではないですか。
 本番のMCで説明できる、と言われたけど、歌詞を全部日本語で説明するのは、難しいですね。
 ・・・なので、このブログ上で歌詞の日本語訳を公開します。

 ・・・と思っていたのですが、確認したところ、日本語訳は配られるそうです。良かった! イベント企画のVesna!さん、早とちりしてすみません。そしてありがとう!
 歌う曲も決定しました。「満足しているオンドリの歌」と「SOS」です。

 でもせっかくなので、3月1日のライブの候補曲の歌詞の日本語訳は公開したままにしておきます。
 ライブに来られる方、トーダルの歌う曲の歌詞にご興味のある方、はぜひご覧ください。
 それぞれの歌について詳しくは、各収録アルバムの解説をご覧ください。作品への理解が深まるかも。


・・・・・・・
 
「満足しているオンドリの歌」

(作詞 レアニード・ドラニコーマイシューク 作曲 トーダル アルバム「オモチャヤサン」収録曲)

僕は悩みなしで生きている。
イヌの餌をつつく。頭を下げて
穀物を見つけたようなふりをして。
僕のとさかは赤いケシの花のよう。
尾羽根は模様入り・・・
メンドリを追いかけても疲れ知らず

僕の生活の知恵は単純なもの。
メンドリがいるうちは
オンドリも生きていけるってこと!

僕は美男子。メンドリをナンパする。
悩みなんかあるわけないよ!
他の鳥が飛んできたら、うまく隠れる。
鶏小屋では僕は王様。悪魔だって怖くない。
人間のご主人が入ってきたら、
メンドリの群れの中にこそこそ隠れる

僕の生活の知恵は単純なもの。
メンドリがいるうちは
オンドリも生きていけるってこと!

僕より若いオンドリはとさかも柔らかくておいしいよ・・・
普段、馬鹿なことをやってる奴が
ちゃっかりいつも餌の桶のすぐそばにいる。
ニワトリは脳みそが少ないって言われているけど
とっても元気に暮らしているよ!
世話は人間がしてくれるしね・・・

僕の生活の知恵は単純なもの。
メンドリがいるうちは
オンドリも生きていけるってこと!
僕の生活の知恵は単純なもの。
メンドリがいるうちは
オンドリも生きていけるってこと!


・・・・・・・

「君の優しさ」

(作詞 ゲナジ・ブラウキン 作曲 トーダル アルバム「LIRYKA」収録曲)
 
君は尋ねた
僕が何を持って行くのか
雪とみぞれの道中で
とても悲しいときに。
僕は答えた。
「君の優しさだよ。」

君は考え込んで尋ねた
何が一番大切なのか
仕事、幸せ、成功、インスピレーション?
僕は囁いた。
「君の優しさだよ。」

ヒントもなく、石油ストーブもない
失望と孤独の中で
信じる、そして祈る
ただ彼女にその優しさを

何が僕の人生に足りないのか
10回でも100回でも
君がこんなことを尋ねたら
言うよ。
「君の優しさだよ。」


・・・・・・・

「SOS」

(作詞 ルィゴール・バラドゥーリン 作曲 トーダル アルバム「愛の汽車」収録曲)

日照り続きで開墾地はすっかり干上がった
二人で雨乞いをしよう
僕は鶴を捕まえておく
君にはテンがいるからね

SOS、SOS 鶴に飲ませてくれ
SOS、SOS 泉の水は熱すぎる
SOS、SOS テンも焼けてしまうぐらい
鶴は浅瀬に飛んでいった

身も心もきれいな人が僕は好きだよ
君のテンの毛色は驚くほどきれいだね
僕の鶴に飲ませてくれないか
グラスの底に向かって鶴がうつむくぐらい、たくさん

SOS、SOS 鶴に飲ませてくれ
SOS、SOS 泉の水は熱すぎる
SOS、SOS テンも焼けてしまうぐらい
鶴は浅瀬に飛んでいった
僕は一人、君も一人

全部飲ませてくれないか
丸ごと一瓶飲ませてくれ
全部、全部、全部・・・
底にたまった酒かすが舞い上がるまで

SOS、SOS 鶴に飲ませてくれ
SOS、SOS 泉の水は熱すぎる
SOS、SOS テンも焼けてしまうぐらい
鶴は浅瀬に飛んでいった

浅瀬は野火も酔いも消してしまった
酔いが一気に冷めていく
鶴は飲みすぎてしまったね
くちばしを閉じてぐったりしている

SOS、SOS 鶴に飲ませてくれ
SOS、SOS 泉の水は熱すぎる
SOS、SOS テンも焼けてしまうぐらい
SOS、SOS 鶴に飲ませてくれ
SOS、SOS 泉の水は熱すぎる
SOS、SOS テンも焼けてしまうぐらい
鶴は浅瀬に飛んでいった

・・・・・・・

「海」

(作詞 ウラジーメル・カラトケービッチ 作曲 トーダル アルバム「長い引き出しの歌」収録曲)

花崗岩のような波が押し寄せる海
赤く日焼けた人たち
君は僕を愛していた
でも、もう今は愛していないね
遠い過去の経験は厳しく僕に迫る
枯れた苦いよもぎと糸とが絡み合った
織物のような僕たちの愛は
心に苦しみと悲しみを残して飛び立った

なんて凶暴な力だろう
血だらけの境界線は
僕たちの愛とともにもう壊された
僕はまるで神と一緒に取り残されたよう・・・
永遠に、永遠に、熱い鉄のように鍛えられる
君のすんなりした足が僕の苦悩の巣だ

僕は立てた誓いを思い出す
胡椒の実のような色の岩
石榴の実のような色の君の唇
心臓は心臓を叩く
肌の上の雫の首飾り
日に焼けた赤銅色の胸
君は僕を愛していたかい・・・? 
・・・愛していたね。
でも、もう今は愛していない。
そして、もう二度と愛さない、愛さない、愛さないんだ・・・・


朝日新聞とのインタビュー

2008年02月19日 | トーダル
 あんまりこういうことをしてはいけないと思うのですが、今回、朝日新聞がトーダルにインタビューした質問のうち、記事に載らなかった質問を公開しようと思います。
 朝日新聞の記者さんがした質問というのは、日本人の方がトーダルに対して持っている疑問を代弁していると思うので。
 インタビューはマーサのところへメールで送られてきたのを翻訳し、トーダルに電話をして口頭で伝えて、返ってきた返事を日本語に訳してメールにして記者さんに送る、という形を取りました。

Aが朝日新聞の質問。Tがトーダルの回答です。

・・・・・

A 「どうして日本の歌を歌う気になったのでしょうか。」

T 「最初この「月と日」を作る話を聴いたとき、これはとてもおもしろそうだと感じました。それにこの作品の製作を通じて日本の文化について知りたいと思いました。
 私のグループの名前はWZ-オルキエストラと言いますが、このWは古いベラルーシ語で東、Zは西の頭文字なのです。つまり、東西オーケストラと言う名前のグループなのですが、どうしてこう名づけたかというと、ベラルーシは東西ヨーロッパの間に位置しているからです。
 だから以前、私にとっては東というのはロシアのことでした。
 しかし、日本はもっと東にあって、ロシアよりもっとおもしろいと思います。
 今はWZ-オルキエストラのWは日本のことだと思っています。」


A「製作中、『日本の人に怒られないか』と気にされたそうですが、なぜそう思ったのでしょうか。」
(参照 HP「ベラルーシの部屋」「月と日 思い出エピソード」)
http://belapakoi.s1.xrea.com/chiro/katudou/songs/2005/episode.html


T「今回初めて外国の作曲家の作品をアレンジすることになりました。つまり、その原作者の考えや、今までこの曲を長年聞いてきた日本人の考えなどが、歌の背景に蓄積されています。
 それを編曲者である私一人が壊してしまってはいけない、と思いました。私は日本の歌の背景について、ちゃんと理解しているわけではないので、うっかり日本人リスナーの気持ちを壊すようなことをしてしまうかもしれない、と心配したのです。
 やっぱり芸術は責任重大な仕事ですから。それにリスナーの気持ちをいつも考えながら、音楽の仕事をするようにしています。」


A「CD製作中に、日本の歌について感じたことを教えてください。」

T「この「月と日」製作はとてもおもしろかったです。どうしてかというと、歌の中に自分が今まで知らなかった日本人の哲学が含まれていたからです。
 一方で、製作は慎重に進めました。いろいろな映像を撮影した後、モンタージュ一つで、全然イメージの違う映像ができてしまうことは、よくあるでしょう?
 それと同じで作業の方向をどのようにするのか、よくよく考えました。単に日本の歌をベラルーシ語に訳すだけではなく、曲の合間にアダム・グリョーブスのベラルーシ語の詩を入れたのがよかったと自分では思っています。
 一つの言語から一つの言語に翻訳して、それでやるべきことはした、ではなく、二つの異なる文化がもっと深い世界で混ざり合ったような作品に仕上がったと思っています。
 アレーシ・カモツキーが訳したベラルーシ語の歌詞も、単なる翻訳ではなく、詩としてとても高い評価ができるものですよ。」


A「どんな情景を思い浮かべながら日本の曲を歌ったのですか?」

T「今のところ日本の情景はテレビでしか見たことがありません。なので、日本の歌を歌いながら思い浮かべるのは、自分が知っているベラルーシの風景です。
 たとえば、「われは海の子」ですが、ベラルーシには海はありません。私自身はネマン川という大きな川のほとりに生まれ育ちました。
 ですから、この歌を歌うときはいつも、ネマン川の岸辺を思い浮かべています。」


A「トーダルさんが、ベラルーシ語で歌う理由を教えてください。」

T「日本人が日本語で歌を歌うように、ベラルーシ人である自分はベラルーシ語で歌っています。
 残念ですが、ベラルーシではベラルーシ語で話したり、書いたりする人が減ってきています。このまま何もしないでいると、ベラルーシ語文化そのものが消えてしまうかもしれません。
 ベラルーシ語で歌うことは何と言ってもまず、自分がベラルーシ人だから。そして、ベラルーシ語文化の一つである、ベラルーシ語音楽を継承したい。
 また、ベラルーシ語を忘れかけているベラルーシ人に、母国語の大切さを呼びかけたい、と常に思っています。」


A「日本人へのメッセージをお願いします!!(意気込み、どんな演奏会にしたいか、など)」

T「今回のコンサートに来てくれた方たちが、少しでもベラルーシのことを知ってくれたら、と思っています。そして公演終了後、今まで知らなかった世界を知ったような気持ちになって、会場を後にしてくれたら・・・と願っています。
 聴いてみたけどトーダルの歌は気に入らなかった、という日本人も出てくるかもしれません。でも、それは別にいいんです。私としては日本人のいろんな意見が聞きたいです。これが芸術家にとってとても大事なことだと思っています。」


A「今回、日本に行こう!と思われた理由を教えてください。」

T「日本での演奏は、ベラルーシ人アーティストにとって非常に重要です。それは遠い国だからです。
 ベラルーシから遠く離れた国で、ベラルーシ語の歌を歌う。これはベラルーシ人全体にとっても、大切なことです。ベラルーシは世界的に有名な国ではありません。まだその文化など、世界の人に知られていません。
 今回日本で、ベラルーシのことを知ってもらう機会ができたことは、とても大切なことなのです。
 私自身はまず、「月と日」を聴いた日本人の観客の皆さんの反応が見たいです。
 もちろん、日本そのものも見てみたいですね。日本人の生活はどんなものなのか、とかいろいろ知りたいです。日本は黒澤明の映画ぐらいでしか見たことがないので。」


A(上の質問と関連して)「日本はアジアの東の、未知の国ですが、不安はないですか?」

T「日本は世界的に有名な国ですよ! 未知な国なのはベラルーシのほうです。(笑)
 だいたい私は冒険が好きなんです。ベラルーシの小さな村であっても、行ったことのないところへ行ってみたい。だから、不安はありませんよ。
 日本へ行って、未知の国ベラルーシのことを歌を通じて広めたいですね。」



もうすぐ出発&朝日新聞に掲載されました!

2008年02月18日 | トーダル
 あと数時間でトーダルの日本公演に向けてベラルーシを出発します。何だか緊張しますねえ。
 でももうすぐトーダルの歌声が日本で響くかと思うと、うれしいですねえ。あとは無事日本まで連れて行くだけですね。

 ところで、トーダルの初来日について、朝日新聞さんからトーダルとマーサはインタビューされていまして・・・23日のコンサートまでに記事が掲載される、というお話だったんですけど、今のところ、まだ掲載されていないみたいですね。
 
 ・・・と思っていたら、今日(2月18日付)朝日新聞の夕刊『関西版、社会面』に、掲載されました!
 載るかどうかお約束できません、と言われていたトーダルの写真も掲載されるましたよ。おお・・・
 関西圏にお住まいの皆様、是非、ご覧ください!
そうでない方もぜひ朝日新聞のサイトでご覧ください。ここをクリック↓
「日本の童謡、ベラルーシ語で歌ったらチャート1位に」

http://www.asahi.com/kansai/entertainment/news/OSK200802180010.html


 トーダルにはこの新聞を一番の日本土産にしてもらいましょう。
 しかし、朝日新聞の記者さんからは
「トーダルさんってベラルーシ人ですか?」
ときかれて、驚きました。(^^;) でも、記者のSさん、本当にありがとうございました! (時差のせいで日本時間の朝4時に電話してくださった・・・)
 
 まだ記事を読んだわけではないので分かりませんが、記者さんはトーダルをただベラルーシから日本へ歌いに来る歌手、というふうにではなく、今や死語になりつつあるベラルーシ語を音楽を通じて継承していこうとして努力している歌手、という視点で記事を書いてくれるような話だったので、マーサはうれしかったです。(全くそのとおりで・・・)

 ・・・と思っていたんだけど、実際には違っていましたね。(^^;)
 でもいいんです。ベラルーシのことを日本の新聞記者に質問されるだけでも、ありがたいことです。

 ベラルーシでも貴重になりつつある、そして日本ではめったと聞かれないベラルーシ語ソングをぜひ聴きに来てくださいね。

「愛の汽車」(2004年)

2008年02月17日 | トーダル
 2004年にトーダルが詩人のルィゴール・バラドゥーリンの詩に作曲して発表したアルバム。
 収録曲のうち「春の日」がロングランヒットした。
 音楽がいいけど、いつも思うのはジャケットデザインが悪すぎること。
 トーダルのCDのジャケットデザイン、も一つなのが多いような気がするけど、その中でも、このCDジャケットは最悪ではないか?

 でもまあ、なかみの音楽がいいから、それでいいのだが。
  
 バラドゥーリンさんのベラルーシ語は、すごく難しくて翻訳作業が大変。なぞなぞのような歌が多い。
 たとえば「10.SOS」もなぞなぞ、というか謎の歌。
 ベラルーシ人がベラルーシ語で聴いても分かりにくいのに、日本語に訳すともっと分かりにくくなってしまいます。
 でも、分かる人には分かります、この歌の言わんとしている意味が。マーサはさっぱり分からなくて、トーダルになぞなぞの答えを教えてもらって、やっと分かりました。
 トーダルも「バラドゥーリンさんのベラルーシ語は、ベラルーシ人にも難しい。めったに使わなくなった言葉を使っているから。」と話していました。
 でも・・・聴くと分かりますが、日本人だから笑える歌でもありますね。これはベラルーシ人には分からないな・・・
 ちなみに歌詞の「君にはテンがいるからね」のテンは毛皮に使われるイタチ科の動物です。

http://contents.kids.yahoo.co.jp/zukan/mammals/card/0149.html


(さらなる詳しい解説についてはしばらくお待ちください。)

・・・・・・
 収録曲

1.愛の貴族
2.女優
3.奥方様
4.ちょっと年配の地主たち
5.夢
6.春の日
7.待っている
8.僕たちの星
9.一生かけて
10.SOS
11.問いかけ
12.影はたそがれる
13.新年

「長い引き出しの歌」(2006年)

2008年02月16日 | トーダル
トーダルが2006年に発表したアルバム。
 トーダル&WZ-オルキエストラとしてではなく、あくまで「トーダル」で発表。どうしてかというと、演奏しているグループがいろいろだから。
 2000年から2005年までの間に、作曲したり、録音したものの、今まで発表したアルバムに収録できなかった未発表作品や、人気曲の別バージョン曲をまとめたアルバム。

 いろんなタイプの音楽があって聴いていてとても楽しいです。
「トーダル? どんなミュージシャンなのか聴いてみたいけど、どのアルバムを聴けばいいのかよく分からない。」
という日本人の方にお勧めのCDです。
 きっと気に入る曲が見つかります。

「6.ユダヤ人」「9.海」 「10.頭のないヴィーナス」の歌詞の作者であるウラジーメル・カラトケービッチについて一言。
 氏名がベラルーシ語表記になっていますが、ロシア語表記にするとウラジーミル・コロトケヴィチ。
 コロトケヴィチは作家で、代表作の小説は「スタフ王の野蛮な狩り」です。
 「スタフ王の野蛮な狩り」はベラルーシフィルムが1979年映画化し、翌年のモントリオール国際映画祭審査員特別賞、カトリカ推理映画祭第一賞、パリ国際SF映画祭特別賞を受賞しました。
 日本人にはあまり知られていないベラルーシ映画の中で、一番有名な映画です。
 監督のワレーリー・ルビンチクとともにコロトケヴィチは脚本も手がけました。
 詳細はこちら。(ロシア映画社アーカイブス)

http://www.saturn.dti.ne.jp/~rus-eiga/arc/films/s/sutafu/index.htm

 HPやブログで「舞台はロシア」と書いている日本人がいるけど、間違いで、完全にベラルーシが舞台です。
 1999年のアメリカ映画「スリーピー・ホロウ」(ジョニー・デップ主演、ティム・バートン監督)の元ネタになった映画です。ベラルーシ映画を元ネタにしたアメリカ映画があるなんてびっくりですね。
「スリーピーホロウ」についてはこちら。

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail?ty=mv&id=159810


 さて、この「海」という曲、間奏部分で
「クワ、クワ、クワ、クワー・・・」
とトーダルが一人でコーラスしている。これは何なのか、トーダル何なのか尋ねたら
「蛙の鳴き声。」
ということだった。でも曲のタイトルは「海」なのに、どうして蛙なのか? 
「私は水鳥の鳴き声だとずっと思っていたんだけど・・・。」
とつっこむと
「そういう解釈もありうる。」
と言われた。要するにクワクワの正体が何なのか好きなように想像してください、ということらしい。
 さらに曲の最後の一番盛り上がるところで
「君は僕を愛していたかい・・・? ・・・愛していたね。でも、もう今は愛していない。そして、もう二度と愛さない、愛さない、愛さないんだ・・・」
と歌った(↑日本語訳)後、
「オー ジェーエーイ!!! オイヨイヨヨイヨーイ・・・!」
と叫ぶんだけど、この「オー ジェーエーイ!!!」も謎だったので、トーダルに尋ねた。すると
「適当に叫んだ。」
という返事だった。(^^;)
 「オイヨイヨヨイヨーイ」というのは日本語に訳すと「ああ・・・そんな・・・」といった失望の感嘆詞。要するに男が女にふられる歌なので落胆しているらしい。
「オー ジェーエーイ!!!」は、そんな男の魂の叫びらしいよ。


(他の曲についての解説は、トーダルに詳しく教えてもらったので近いうちに更新します。)

・・・・・・

収録曲

1.ベレゾフカの宇宙飛行士 (インストゥルメンタル 作曲:トーダル)
2.ハイ・タク - そうなれ! (ベラルーシ民謡)
3.クラレスの草 Ⅱ (ベラルーシ民謡)
4.ユダヤのダンス (インストゥルメンタル 作曲:トーダル)
5.不幸なヤギの歌 Ⅱ (作詞:レアニード・ドラニコ-マイシューク 作曲:トーダル)
6.ユダヤ人 (作詞:ウラジーメル・カラトケービッチ 作曲:トーダル)
7.リューバチカ (民族詩 作曲:トーダル 演奏:クリヴィ 映画「新鮮な肉は花火とともに」主題歌)
8.明るさ、美しさ (作詞:V.ジィルカ 作曲:トーダル)
9.海 (作詞:ウラジーメル・カラトケービッチ 作曲:トーダル)
10.頭のないヴィーナス (作詞:ウラジーメル・カラトケービッチ 作曲:トーダル)
11.金星 (作詞:M.バグダノビッチ 作曲:S.ラク-ミハイロウスキー)
12.かわいい人 (作詞:R.バラドゥーリン 作曲:トーダル)
13.自由なズーブルの歌 Ⅱ (インストゥルメンタル 作曲:トーダル)
14.ベッラ・チャオ (トーダル バージョン)
15.ボレロ (作曲:トーダル 演奏:国立ベラルーシ文化大学弦楽四重奏)

・・・・・・

「LIRYKA」(2007年)

2008年02月15日 | トーダル
・・・ せめて空の極みに
    歌声も音も捨ててしまおう
    濡れそぼつナナカマドの木立
    実の先は赤く光っている・・・
    雨は降り続ける
    でも、それがどうした?
    秋を不安がらせておこう・・・

       (「8.雨は降り続ける」より。)

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 2007年12月にトーダル&WZ-オルキエストラが発表したアルバム。
 ちなみに発売記念コンサートの様子はトーダルの公式ブログで見られます。

http://generation.by/doc14-115.html


 まずアルバムタイトルの「LIRYKA」って何だ? と思われるので、説明します。
 LIRYKAというのは、ベラルーシ語で「Лірыка」 日本語に訳すと「抒情詩」のことです。ちなみに「リルィカ」と発音します。
 これはベラルーシの詩人ゲナジ・ブラウキンが書いた作品、つまり抒情詩に、トーダルが作曲したものです。
 抒情詩、というだけあって、歌詞の内容はとても美しい。ベラルーシへ行って、しかも田舎の一軒家の窓辺に座って、花が咲いているのや、鳥が飛んでいるのや、雨が降ったり、星が光っているのを眺めているような気がしてきます。
 しかし!
 やっぱり一筋縄ではいかないトーダルなのであった。
 そういう美しい世界をですね、彼はロックの曲をつけて、シャウトしてしまいました。
 ブラウキンさん、最初このアルバムを聞いたとき、びっくりしただろうなあ・・・。
 日本で言うと、60歳代の自然を詠う大御所歌人のところへ、30歳代のミュージシャンがある日突然やってきて、
「あなたが作った短歌に作曲したいんですが。」
と言い出し、ああ、いいですよ、と返事したら、いきなりロックにされていた・・・という感じでしょうか。

 リルィカ・・・なんて美しい響きの言葉をアルバムタイトルにしていますが、わざわざ英語転記して「LIRYKA」にしたのも、そういうニュアンスを表現したかったからでしょう。
 マーサはいつもベラルーシ語音楽のアルバムタイトルを日本語に訳すとき、とても悩むんだけど、今回もだいぶ考えましたね。
「抒情詩」とか「リルィカ」とかジャケットデザインが目玉(^^;)だから「君の瞳」とかにしようかと考えたんだけど、結局、オリジナルタイトルをそのまま残しました。
 日本人からすると分かりにくいかもしれませんが、やっぱり、「LIRYKA」という言葉がこのアルバムの内容をよく表現していると思います。

 さて、トーダルは1999年に「ロック・カラナツィヤ」コンクールで「ベラルーシ最優秀ロックシンガー男性ボーカリスト部門」で優勝しており、これに優勝すると「ロック・キング」の称号(^^;)が与えられます。でも、ちゃんと王冠を授与しています。
 ちなみに「ベラルーシ最優秀ロックシンガー女性ボーカリスト部門」で優勝すると、「ロック・クイーン」の称号と王冠がもらえますが、1999年は当時同じグループ「クリヴィ」のメンバーだったベラニカがもらっています。

 というわけで、今回久しぶりにロック・キング時代のトーダルに戻って、このアルバムで熱唱しているわけです。
 しかし、もともとの歌詞は美しいし、トーダルの声が声楽で鍛えたバリトンなので、いくらシャウトしていても、何だか、きれいなロックに聴こえますね。

 ロック、ロックと紹介しましたが、実際には全曲ロック調の作品ではありません。
 1曲目はいきなり、ブラウキンさんが、自分の詩を自ら朗読しているのが収録されています。(全14曲収録、と言うことになっているけど、実際には13曲収録されている。)
 初めて聞いたとき、びっくりするかもしれないけど、ちゃんと楽曲も収録されていますので、ご安心を。
 ブラウキンさんが朗読している詩「私たちの歌」は、なぞなぞみたいで、意味深です。分かる人には答えはすぐ分かりますが。

 ロックの作品は実は「2.最大の力」「4.広い愛」「6.風が葉を揺らす」「8.雨は降り続ける」の4曲だけなのです。
 しかし、どの曲もいいです。非常にいいです。
 トーダル、めちゃくちゃかっこいいです。(「6.風が葉を揺らす」はちょっと笑ってしまった・・・。)
 歌詞は「8.雨は降り続ける」が特にいいですね。
 しかしまあ、「オモチャヤサン」に出てくる動物を除くと、今回初めて、トーダル作品の歌詞に出てくる人称を「俺」と「お前」で訳してみました。(「4.広い愛」)
 いつもは「僕」と「君」なんだけどねえ。

・・・・・・・

LIRYKA  作詞 ゲナジ・ブラウキン

1.私たちの歌 (朗読 ゲナジ・ブラウキン)
2.最大の力
3.僕のことを思い出したかい?
4.広い愛
5.隣の女
6.風が葉を揺らす
7.ボートで川を逆上った
8.雨は降り続ける
9.月は黄色いボート
10.すてきな夢
11.君の瞳
12.ナイチンゲール
13.君の優しさ
14.新年前夜

・・・・・・・

 ロック以外の作品についても、それぞれご紹介すると・・・
「3.僕のことを思い出したかい?」
 とてもきれいなバラード。今回収録の作品にはどうも「孤独感」「男女の間の距離感」があちこちに感じられて、少々悲しい空気が漂っている。しかし、悲しがってばかりもいられないので、トーダルはロックもしているんだろうな。

「7.ボートで川を逆上った」「11.君の瞳」
 両方とも歌詞が、めちゃくちゃ後ろ向き。「7.ボートで川を逆上った」は曲調もしんみりしているが、「11.君の瞳」は歌詞はひどく後ろ向きなのに、曲はやたら明るい。ノリがいいので、よくコンサートでトーダルも歌っているけど、普通、こういう歌詞にこういう曲はつけない。

「5.隣の女」
 トーダルがウラジーミル・ヴィソツキーのように歌っている。しかし曲は3拍子で、歌詞は牧歌的。しかしその内容は完全に「隣の男の妄想」(^^;)
 そんなに隣に住んでいる女の人が気になるんなら、今すぐ「こんちは。隣に住んでいる者ですが。」と家に会いに行けばいいのに・・・と思った。

「9.月は黄色いボート」
 ロマンチックなベラルーシの農村の愛の世界。ベラルーシの田舎へ行ったら、こういう情景があちこちでありそう。私にも誰か、花輪を作ってくれい。(^^;)

「10.すてきな夢」
 曲調は「NHKみんなのうた」に採用されそうなかわいらしさなのに、歌詞の内容はずばり「ベラルーシの若い女の子の妄想」(^^;)
 しかも、トーダル、歌いながらそういう女の子たちのことを実は馬鹿にしてるだろう! とつっこみを入れたくなる。そんなに馬鹿笑いしないで、女の子にも夢を見させてくれよう・・・(^^;)
 注釈を加えると、「ラジビル一族」というのは、中世、ベラルーシ地域を治めていた貴族のことです。
 詳しくはHP「ベラルーシの部屋」のネスヴィシュをご覧ください。

http://belapakoi.s1.xrea.com/gh/city/nesvish/index.html


「12.ナイチンゲール」 すごくおかしくて、かわいくて、悲しくて、なかなか終わらなくて、しかもかっこいい曲。ある意味、このアルバムの代表作だと思う。

「13.君の優しさ」 トーダルが初めて作った「アフリカ風」の曲、だそうです。歌よりも間奏のところでトーダルがしゃべっているほうがずっと長いという作品。明るくてかわいらしい、楽しい曲だが、歌詞はやっぱり「ちょい寂しい」世界を描いている。

「14.新年前夜」 お正月の歌。しかし、歌詞も曲も、「明日は正月、めでたいな。」という雰囲気ではない。
 注釈を加えると、「ゴリゾントとビチャジのテレビ」というのは、どちらもベラルーシ製のテレビのこと。
 ゴリゾントはミンスクに、ビチャジはビテプスクにあるテレビを製造している、ベラルーシでは有名な企業である。
 ちなみにゴリゾントは地平線、ビチャジは騎士、という意味である。

 うーん、ずいぶんたくさん書いてしまった。
 ロックしているトーダルを聴きたい人には、一番お勧めのCDです。

(全曲日本語対訳付きで、ただいまVesna!で発売中!)


トーダルのブログで「日本のお土産アンケート」してます

2008年02月15日 | トーダル
 トーダルが自分の公式ブログで、日本公演のことを書き込んでいます。
 で、「もし日本に行ったら、どんなものを持って帰りたい?」と質問しています。自分のお土産選びの参考にしたいのであろうか・・・
 この質問に対するベラルーシ人からのコメントは、いろいろ。

「桜の花の枝」
「扇子」
「俳句集 短歌集」
「お酒」
「お金」
「海苔」
「お茶」
「日本の太陽」
「海岸で拾った小石」
「自分を持って帰るのを忘れるな。」
「日本人の女の子」
「鞍馬山」(←こりゃすごい。どうやってベラルーシまで持って帰るんだろ。)

 ベラルーシ人の頭の中はどうなっているのか。これだから好きだな、ベラルーシ人。

「ソ連軍の日(2月23日)に日本でコンサート?! こりゃおもしろい。」という意見もあり。仕方ないよ、偶然土曜日だったんだから、今年は。

書き込まれたコメントに対するトーダルの返事。
「わあ、大きいトランク買わなきゃ。」
 それに対する友達からのコメント。
「私のトランク貸してあげる。」
 その人からのコメント。
「お土産に『日本』って書いてあるマグカップちょうだい。何か日本の絵がデザインされているのでもいい。冷蔵庫にくっつけるマグネットでもいい。」

 みんなかわいいよねえ。(^^)