日々思うこと

日々の暮らしの中で、心に留めた様々な思いを、書き込みます。

手と手の力

2009-08-14 20:57:19 | Weblog
今日は難病を抱えて生活しているMさんの付き添いで病院へ行った

彼女は以前バリバリのキャリアウーマンだった人

6年前に出会ったとき 彼女の胸の内を

書き留めていた


「ある日突然 目の前が暗くなった

 ある日突然 耳が聞こえなくなった

 こんなはずじゃない・・・自分と出会ってしまった

 七転八倒を繰り返した 長い時間

 でも・・・貴方が私の全部を受け入れてくれた

 何日も 何日も・・・

 うん うん  と

 私の苦しみを聞いてくれた

 心の中が空っぽになったころ

 私は 生まれ変わった

 頑張る!…同じ障害をもってしまった人を助ける人になる

 そう決めました・・・私 」


ばりばりと仕事をこなしていたある日 目の前にある書類の文字が

見えなくなった。山道を下るように 自分の意志と体の動きが

食い違うようになった

室内のいたるところに手すりが付いた

毎日変化する自分を確認することの恐怖と

なすすべもない無力感 自分との戦いは・・・つづいている



                H 15.5.1


あの日の彼女と6年ぶりの触れ合いがあった。

眼科 内科 ・・・と診察を受け

昼食から 買い物まで 

クラッチと 私の手が頼りの 外出。

初めは 遠慮がちだった握った時の力が

だんだん強くなり 指が絡む

その手のぬくもりが 無性にいとおしくなった

慰めようもない 難病との戦いの毎日

一人で 背負っているんだなと・・・


帰りながら 胸が熱くなった

このまま 進行しないでほしい 

せめて今のまま 時間が止まっていてほしい

そんなことを考えて職場に戻った


実に重い そして強い 彼女との 出会いだった