小説・鉄槌のスナイパー・一章・NOー(4)CG
「え~っ・・・この時期に転勤ですか。そりゃ大変だ」。
手慣れた手つきで丼を出した。両手で受け取ると、そのとき初めて寒さが身に染みて感じた。熱いラーメンを啜りながら、ふとあの女性の事が頭に浮かんだ。無事帰ったのだろうか、OLか、体は大丈夫かな?・・・そんな事を思いながら駅のタクシー乗り場に視線を向けて彼女の姿を探していた。
いる訳無いよな、そう思いながら流し込むスープも旨かった。
御馳走様、釣りはいいよ。と千円を渡して気前よく屋台を離れた。
駅の構内を通り抜け、ステーションホテルに入った。
チェックインを済ませ、モーニングコールを八時に頼んで部屋に入った。バスルームに入って風呂の蛇口を捻り、湯を張った。
そして部屋の冷蔵庫から缶ビールとつまみをだして飲んでいた。
ポケットから不動産屋から受け取ったメモを出し、新しい住所を手帳に書き込んで一本だけのつもりがロング缶を二本も空けた。
少し酔いが回ってフラッとしながら風呂に入ると、疲れがドッと出た。そしてベッドに入るといつしか眠っていた。
そんな中で私は夢を見ていた、とてつもなく恐ろしい夢だった。
ウワ~ッ・・・けたたましいベルの音で目が醒めた。それはモーニングコールの電話だった。そっと受話器を取ると
「お早いようございます、八時でございます」。優しい女性の声でした。
「お早ようございます。有り難う」
そして手帳を持つと再び受話器を持った、そして長野の引っ越しセンターに電話して住所を知らせた。
「分かりました、それでは住民票と電話の方も総てそちらの住所に変えておきます。光熱費もお立て替えしてありますので一緒に請求させていただきます。では午後三時には着くようにしますので」。
私は此れで長野に帰る事もなくなった、住所変更も光熱費、電話変更も何もかも引っ越しセンターがしてくれた。
便利になったものだ、そう思いながらモーニングを頼んでシャワーを浴びた。シャワーから出ると間もなくモーニングが届き、食事を済ませて十時前にホテルを出た。
そしてホテルの向かのMデートにに入った。コートを彼女に貸したまま、ジャンバーでも買おうと入った。中は人の熱気と暖房でむせかえる程熱かった。
みんな忙しいそうに買い物に夢中だった。そんな人混みを避けて空いているフロアーを探しながらエスカレーターに乗った。そして紳士服売り場で降りると思いの外空いていた。
すると、歳末大売り出しと書かれた看板が目に入って向かった。
そこは紳士服とスポーツ用品が並んだ売り場だった。一通り見ると、赤札のダウンジャケットが眼に着いた。
サイズは?・・・と手を延ばした。これから自分で買うのか。そんな思いが頭を過ぎった。
「お客様、それは大変お買い徳になっております」。と正面から声がした。見ると若い店員がニコッと笑っていた。
私はサイズを見ると袖を通した。軽くて暖かくて買う事にした。
「じゃあ貰います。着ていても良いですか」。
「はい、結構です。ではこちらへどうぞ」。
店員の後につづいてレジに行った。一万五千円を払ってフロアーを出た。
定価の半額か、信じられない思いにささやかではあるがリッチな気分になっていた。
デパートを出ると、先程とは打って変わって小雨交じりの冷たい風が吹いていた。私は歩いて15分ほどの七間町と言う町の映画館に向かった。そして切符売り場に顔を出すと、
「お客さん、もう始まって一時間半ほど過ぎていますからね。三十分待って入った方がいいですよ」。
私は開演時間を見た、言う通りだった、「じゃあそうするよ」と、私は筋向かいにあるパチンコ屋に入って時間を潰そうと入った。
五百円分の玉を買い、空いていた席に座った。
何気なく打っているとものの数分でフィバーした。店員が走って来て箱を置いてくれた、私は一杯になった箱を持って席を立った。
「あんた、それは無制限の台だから続けて打っていいんだよ」。と隣のおばさんが教えてくれた。
「そうですか、有り難うございます」。私は二掴みレーンに入れてやった。おばさんはニッコリしてチョコレートをくれた。
NO-4-8
「え~っ・・・この時期に転勤ですか。そりゃ大変だ」。
手慣れた手つきで丼を出した。両手で受け取ると、そのとき初めて寒さが身に染みて感じた。熱いラーメンを啜りながら、ふとあの女性の事が頭に浮かんだ。無事帰ったのだろうか、OLか、体は大丈夫かな?・・・そんな事を思いながら駅のタクシー乗り場に視線を向けて彼女の姿を探していた。
いる訳無いよな、そう思いながら流し込むスープも旨かった。
御馳走様、釣りはいいよ。と千円を渡して気前よく屋台を離れた。
駅の構内を通り抜け、ステーションホテルに入った。
チェックインを済ませ、モーニングコールを八時に頼んで部屋に入った。バスルームに入って風呂の蛇口を捻り、湯を張った。
そして部屋の冷蔵庫から缶ビールとつまみをだして飲んでいた。
ポケットから不動産屋から受け取ったメモを出し、新しい住所を手帳に書き込んで一本だけのつもりがロング缶を二本も空けた。
少し酔いが回ってフラッとしながら風呂に入ると、疲れがドッと出た。そしてベッドに入るといつしか眠っていた。
そんな中で私は夢を見ていた、とてつもなく恐ろしい夢だった。
ウワ~ッ・・・けたたましいベルの音で目が醒めた。それはモーニングコールの電話だった。そっと受話器を取ると
「お早いようございます、八時でございます」。優しい女性の声でした。
「お早ようございます。有り難う」
そして手帳を持つと再び受話器を持った、そして長野の引っ越しセンターに電話して住所を知らせた。
「分かりました、それでは住民票と電話の方も総てそちらの住所に変えておきます。光熱費もお立て替えしてありますので一緒に請求させていただきます。では午後三時には着くようにしますので」。
私は此れで長野に帰る事もなくなった、住所変更も光熱費、電話変更も何もかも引っ越しセンターがしてくれた。
便利になったものだ、そう思いながらモーニングを頼んでシャワーを浴びた。シャワーから出ると間もなくモーニングが届き、食事を済ませて十時前にホテルを出た。
そしてホテルの向かのMデートにに入った。コートを彼女に貸したまま、ジャンバーでも買おうと入った。中は人の熱気と暖房でむせかえる程熱かった。
みんな忙しいそうに買い物に夢中だった。そんな人混みを避けて空いているフロアーを探しながらエスカレーターに乗った。そして紳士服売り場で降りると思いの外空いていた。
すると、歳末大売り出しと書かれた看板が目に入って向かった。
そこは紳士服とスポーツ用品が並んだ売り場だった。一通り見ると、赤札のダウンジャケットが眼に着いた。
サイズは?・・・と手を延ばした。これから自分で買うのか。そんな思いが頭を過ぎった。
「お客様、それは大変お買い徳になっております」。と正面から声がした。見ると若い店員がニコッと笑っていた。
私はサイズを見ると袖を通した。軽くて暖かくて買う事にした。
「じゃあ貰います。着ていても良いですか」。
「はい、結構です。ではこちらへどうぞ」。
店員の後につづいてレジに行った。一万五千円を払ってフロアーを出た。
定価の半額か、信じられない思いにささやかではあるがリッチな気分になっていた。
デパートを出ると、先程とは打って変わって小雨交じりの冷たい風が吹いていた。私は歩いて15分ほどの七間町と言う町の映画館に向かった。そして切符売り場に顔を出すと、
「お客さん、もう始まって一時間半ほど過ぎていますからね。三十分待って入った方がいいですよ」。
私は開演時間を見た、言う通りだった、「じゃあそうするよ」と、私は筋向かいにあるパチンコ屋に入って時間を潰そうと入った。
五百円分の玉を買い、空いていた席に座った。
何気なく打っているとものの数分でフィバーした。店員が走って来て箱を置いてくれた、私は一杯になった箱を持って席を立った。
「あんた、それは無制限の台だから続けて打っていいんだよ」。と隣のおばさんが教えてくれた。
「そうですか、有り難うございます」。私は二掴みレーンに入れてやった。おばさんはニッコリしてチョコレートをくれた。
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