おはようございます。
本日は、エマ・ドナヒュー/著 吉田育未/訳『星のせいにして』
(河出書房新社)の感想文です。
(河出書房新社)の感想文です。
どうぞ、おつきあいくださいませ。
以下、ブクログ「由々と本棚」と、ほぼ同じ内容です。
お許しあれ・・・
一気読みでした。
第一次世界大戦下のヨーロッパで流行したスペイン風邪(インフルエンザ)
戦死者よりも、この病気で命を落した人の方が多かったという。
当時は、インフルエンザウィルスが認識されていなかったそうで・・・
作中に、かつてイタリアで病は星に影響される、だからインフルエンザ
というそうだ、との件があった。
さて、スペイン風邪。
あっという間に命をさらってしまう、という点では、
まさに今のコロナと同じ。
本書は、そのインフルエンザパンデミック下、
ダブリンの産科/発熱病室、
つまり、インフルエンザ患者である妊婦の病室に勤める
看護婦・ジュリアをヒロインに進む。
(なお、作中では、看護婦、女医など、
第一次世界大戦下のヨーロッパで流行したスペイン風邪(インフルエンザ)
戦死者よりも、この病気で命を落した人の方が多かったという。
当時は、インフルエンザウィルスが認識されていなかったそうで・・・
作中に、かつてイタリアで病は星に影響される、だからインフルエンザ
というそうだ、との件があった。
さて、スペイン風邪。
あっという間に命をさらってしまう、という点では、
まさに今のコロナと同じ。
本書は、そのインフルエンザパンデミック下、
ダブリンの産科/発熱病室、
つまり、インフルエンザ患者である妊婦の病室に勤める
看護婦・ジュリアをヒロインに進む。
(なお、作中では、看護婦、女医など、
当時の差別に満ちた時代を明確にするため、
あえてこれらの語を使っている。わたしも、それにならう。)
しかも、昼間は彼女一人で、3つのベッドの患者を診なくてはならない。
出産があれば、新生児もプラスされる。
医者も看護婦も足りない。
というのは、もともと戦時下で、人も物も圧倒的に不足しているのに
パンデミックでバタバタと病院のスタッフが倒れているからだ。
しかも、昼間は彼女一人で、3つのベッドの患者を診なくてはならない。
出産があれば、新生児もプラスされる。
医者も看護婦も足りない。
というのは、もともと戦時下で、人も物も圧倒的に不足しているのに
パンデミックでバタバタと病院のスタッフが倒れているからだ。
ジュリアは、既に軽症のインフルエンザにかかっているから
おそれることなく、患者のケアに当たることが出来ている。
ジュリアには戦地から帰還した弟がいる。
彼はPTSDで口が利けなくなってしまった。
ジュリアには戦地から帰還した弟がいる。
彼はPTSDで口が利けなくなってしまった。
戦争とパンデミックの二重苦。
そんな中、ジュリアの、30歳の誕生日の前日からの三日間が描かれる。
そんな中、ジュリアの、30歳の誕生日の前日からの三日間が描かれる。
初日、ボランティアとして22歳の孤児ブラウディがやってくる。
キビキビと働き、明るい彼女に、次第に惹かれるジュリア。
もう一人、頼りになるのは、女医のリン医師。
「政治犯」とされる彼女と信条的には相容れないが、
医師としては絶大な信頼を置く。
「政治犯」とされる彼女と信条的には相容れないが、
医師としては絶大な信頼を置く。
(あとがきによると、リン医師は実在したそうだ)
病室での女達のお産という命を賭けた戦い、差別や偏見・・・
ブラウディと接することで、
ジュリア自身が、世間知らずだったことに気づいていく・・・
章タイトルは「赤」「茶」「青」「黒」。
この意味に愕然。
そして、最後の最後、ジュリアの思いがけない行動。
明るい未来が待っているわけではない。
けれども、ジュリアの姿勢は誠実さにあふれており、
心励まされる。
明るい未来が待っているわけではない。
けれども、ジュリアの姿勢は誠実さにあふれており、
心励まされる。
著者が原稿を渡したのが2020年3月。
コロナ・パンデミックは始まったばかり。
この偶然と、今、この小説を読める幸せ。
第6波に、心折れそうになることもしばしば。
それだけに読んで良かった小説。
あらためて、医療従事者の方々のご苦労を想い、
決して決して感染してはならぬ、と思った次第です。
本日も、おつきあいいただき、どうもありがとうございました。
(下書きに入れた記事も、これが最後。
修理中のパソコンが戻るのは来週末らしく、
トホホです。)