〘 地歌筝曲、手事物形式による高低二部合奏物の明治新曲。作曲は菊末勾当(キクスエコウトウ)、歌詞は平家物語の巻六や能「小督(こごう)」を題材にしたもの。
内容は、嵯峨野の奥に隠れ住む小督を高倉帝の使者・源仲国が箏の音色を頼りに探し当て、想夫恋の曲に小督の本心を知るという場面。同様のものを扱った曲に山田流筝曲四つ物の小督の曲がある。… 〙
〘 生田(いくた)流箏曲(そうきょく)の曲名。作詞者不明、作曲は大阪の菊末検校(きくすえけんぎょう)で、明治初期の作品。『平家物語』の「小督(こごう)」から題材をとり、秋の月の明るい晩に、源仲国が天皇の命により、もの寂しい嵯峨野(さがの)へ小督の局(つぼね)を訪ねる場面を歌っている。… 〙
〘 能の曲目。四番目物。五流現行曲。金春禅竹(こんぱるぜんちく)作。『平家物語』巻6の「小督事」によった叙情的な現在能である。…
…これを箏曲(そうきょく)に写した山田流の大曲に、山田検校(けんぎょう)作曲『小督』がある。また、新歌舞伎(かぶき)十八番に福地桜痴(おうち)作『雪月花三景(みつのながめ)』(通称「仲国」)があり、長唄(ながうた)にも『嵯峨秋』があるが、ともに明治期の作である。[増田正造]〙
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