宮城の作家希望

作品など

小説ローレルロール この世界の始まりの魔法

2020-09-15 23:59:00 | 日記
『貴女は何を望み何を捨てますか?それとも
まどろみを望みますか』

あの時の心をもう一度

光も闇も溶け込んで

君がそう望むなら

それが一番正しい

孤独な天空の風と

たった一人の大聖女

時と空を渡り

ただ一つの力

この世界の始まりの魔法

#10不安

2020-09-15 10:37:00 | 小説
ジラート王子との婚約から一ヶ月が経ち浮かれた気分からも幾分落ち着いた、積もりだったが
『姫様、もう少し落ち着かれた方が宜しいかと』ナタリーは言う。そんなにはしゃいでいますか?

確かに以前は暗い気持ちでいたから、そう見えるのかしら。私を必要とする人など居ないと思っていたから、彼の力強い褐色の腕に抱かれると安心感に包まれ『ロー』と呼ばれる度舞い上がる気分になる。

だけど父は時折チラッとこちらを見るばかりで何も言わないしママは『嫌なら婚約を解消してもいいのよ』と、まるで私が彼を嫌がっている様な言い方をしています。
むしろこの頃は貴族の方々から『良い方に巡り会えましたね』言ってもらえる位なのに何が問題なのだろう。
敵意の方が多いのは確かだけど、何か問題があればエレガが魔術で対処してくれるから心配はない。

それでも、彼を見る女性達が気にならない訳ではない。少し不安になり彼を求めてしまう。
私の中で彼の存在は大きくなっているのは確かだった。