あれから大分経つと言うのにママは今も足を引きずっている加護はどうしたのかしら私の胸の傷は消え掛けているのに、嫌な考えが浮かんだ。エレナレナに代を譲ったからもうママには加護がない。
私がシッカリしないとグランデシアは守れないのに私には魔法がない。他人どころか自分さえも守れなかった。
思わず手のひらのスイッチを入れ掛けた。隣でお茶を入れているナタリーに気づかれない様に
『どうかしましたか』その声に我に帰る。
いけない人に頼っては私自身で何とかしないと、
その時私の中から影が動いてナタリーを襲った、咄嗟に手にした食用ホークを投げつけた。
影に命中して影は消えた。今のは何、私はいったい何を、
『出来ましたね、姫様の魔法が』
これが魔法なの、嬉しい私にも魔法が出来た。
でも今の影は私の中から生まれた魔法。
後でママに相談すると
『どちらも貴女次第の力よ、貴女は光も闇も生み出せる聖女なのかも』
私が聖女。
『おめでとうございます』
隣で聞いていたナタリーがお茶を入れて祝はくしてくれた。
これが私の魔法なの、
ママが隣で頷いて手を握っている。