12・11・14
心の中で
お母さんをみると
会いたくなっちゃう……
「思い出す」という言葉がまだ、
茉子の語彙にはないらしい。
「心」と云う言葉を云ったのは
これで二回目。
やがて
ホームシック!
と云う言葉も
茉子の語彙になることでしょう
茉子は
おばあちゃんが大好きです。
お母さんは
おばあちゃんと一緒に
暮していたの……
茉子は時々そんな聞き方をします
真意はわかりません
お母さんは
おばあちゃんと一緒に
暮していた……
と想像しているようです
そろそろ 茉子は一人で
お泊りできるかもしれない、
明日
幼稚園はお休みです
茉子が
「ウン!」と云ったら、
鎌ヶ谷へ連れて行こう、
とおもっていました
茉子よりも
お母さんの方が
うろたえている
茉子は
びっくりするようなことを
云ったのです
「お父さんと、お母さんと、
茉子ちゃんは家族なの……」
お母さんの方が
救われたようでした。
茉子は
お母さんに叱られると、
お部屋の隅で
うずくまっていることがあります
私が昼寝から目が覚めると、
枕元に茉子がいる。
「茉子、公園へ行こうか……」
「ウン!お母さんに謝ってくる!」
お母さんに叱られて
私が昼寝をしている枕元に
うずくまっていたらしい。
「茉子ちゃんお歌を歌って……」と
電話で、
おばあちゃんが
云うと
茉子は受話器に向かって
しきりに歌っている。
あまり可愛いので
おばあちゃんは
受話器を私に渡した。
「茉子!お上手!お上手!」と
私が褒めると
歌うのを止め
しばらく無言。
おばあちゃんに
一生懸命に歌って
聞かせているのに
聞いているのはおじいちゃん
相当はぐらかされた
思いだったでしょう