12・6・16
脳死 臓器移植
富山大学病院に入院中の6才以下の男児が脳死と判定され
家族は臓器移植に同意した。
この新聞記事を何度も読み返しました。
昭和47年5月、男の子を1才4ヶ月で亡くしている。
4,5年は全く腑抜けでした。
息をしているだけ、ただぼーっと生きていました。
家内は一輪挿しに白い薔薇を活けてくれました。
「きれいだな…」と思って眺めた。
腑抜け状態から立ち直るキッカケだったような気がする。
「お父さんだけじゃないのよ…私だって悲しいのよ…」と、
家内は何度も云っていたような気がする。
白い薔薇を眺めていると、家内は同じことを繰り返し云った。
はじめて聞いたような気がした。
娘は嫁ぎ孫が生まれた。
1才4ヶ月が過ぎて1才5ヶ月、私はフッと
「お父さんだけじゃないのよ…私だって悲しいのよ…」と、
家内が云った言葉を思い出した。
娘も弟を亡くし、辛い日々を送ったに違いない、と思った。
娘にハガキを書いた。
間もなく娘から電話があった。
「お父さんは何でも独り占めするんだから…」
エッ!・?悲しみも独り占めしていたのか…