12・6・15
一日一絵の野崎さん
野崎耕二さんは、キンジストロフィーを発症して約30年、
一日一絵と称して毎日B4の画用紙を4等分したところへ水彩画を描く。
一日も欠かさない、描いた絵は1万枚を越えます。
昨日、野崎耕二さんから
「車いす きばいやんせ日記」(中央公論社)を出版しました、と
知らせてきました。
「きばいやせん」とは鹿児島弁で「頑張りましょうね」と云う意味だそうです。
野崎さんは1985年48歳の時
進行性・肢体型筋ジストロフィーを宣告された。
大方の同病者は短命に終わる、と云われ大きな衝撃を受ける。
失意の深淵で、自らを励ますために一日一絵を描き始めている。
1990年9月転んで大腿部を骨折、
入院先の病院で7㎏の錘で足をけん引している絵を描いている。
それでも休まなかった野崎さんの気力には驚嘆する次第ですが、
周囲の人の協力が無ければ描き続けられないことも確か。
私は10年ほど前、たまたま
一日一絵の野崎さんが千葉市にお住いであることを知って、
地域新聞にレポートを書きました。
取材に際して、種々資料を示してくれるのですが、本人は立つことが出来ない。
「上から3段目、右から6番目当たり……」に必要資料があるから出して見てくれ……。
身体の不自由を補うためには記憶力は抜群、
リモコンを駆使してドアーの開閉から電話の受発信までこなす。
今年75才のはず、一日一絵を描くことで自らを励まし続けているのでしょう。
辛い日もあった、億劫な日もあったであろう
それでも日々を描きつづける。
モチーフは毎日違う。
決まった時間に一日一絵を描く。
自分自身を律する生き方につながっている。