13・1・20
ー真似る 書き写す 5ー
県立西部図書館の司書に訪ねると、
関係がありそうな書籍七,八冊紹介してくれた。
書き写すことの効果が絶大であることは
各著書に共通している。
更に応用例、推薦する著書は紹介しているが、
なぜそうした効果が得られるのか、
小説を書きたかったら、志賀直哉を書き写せ!と云ったような、
かなり乱暴なことは言っているが、それ以上のことは云っていない。
或いは生理学的、心理学的手法で
書き写すことの効果を研究した著書は見当たらなかった。
「かぼちゃだったら描けそう…」の言葉を再び思い出した。
かぼちゃの絵を真似て描いたから、描けた。
丸ごと書き写すことも真似て書く、と言い換えると分かった!
かぼちゃを絵として捉え、絵として表現している。
捉え方、表現の仕方が素朴過ぎるほど素朴だったからこそ、
真似て見ようと思わせ、
真似たら出来た!描けた!と云った快感を味わった。
小説その他の著書を丸ごと書き写すことを通じて、
著者、作者の意図したことの捉え方、
話の進め方、描写、表現のすべてを
作者、著者と一緒に書くという同時進行の疑似体験をする。
著作を理解しよう、とか味わおうといった第三者的な視点ではなく、
著者、作者と同じ土俵で格闘する、といったら言い過ぎだろうか。
小説を書きたかったら、志賀直哉を書き写せ!と云った表現も
真髄を突いている、と云えるが親切心に欠ける。
演出家の蜷川幸雄氏は
多分この辺のことを動詞で出す!と表現している。