桃色鸚哥のため息

風の吹くまま、気の向くままに……

手術 part3

2006年02月15日 | Weblog
 手術室というのは、あまり暖かくはないのだろうな。それと、患者の体温は平熱よりは低くなっているらしく、電気毛布が掛けてあった。意識が戻ってからは、どんどん体温が上がり、38度くらいにはなる。しばらくは熱が続くそうだ。1時間くらいして、たまらなく熱くなり電気毛布を外してもらう。あまり暖めすぎても、血流がよすぎてしまうのでだめ、ということもある。 

 そうこうしているうちに、だんだんお腹が張り始めた。術後は、オナラをしなくちゃいけないんだけど、まだ腸が動かないのでたまる一方となり、そのうち胃を圧迫し始める。下腹部は切ったばかりなので、おへそより上の部分をさするより他にない。人に触られるのは嫌なので、右手でさする。左手は点滴が刺さっていて使えないし。

「じっとしていると腸も動かないし、床ずれができるから動いてください」ってナースが言うんだけど、動かせったって身体を左右に転がすことしかできない。というか、それすらままならない。お腹は切ったばかりだ、どないせぃ、っちゅうのだ! 身体がめちゃくちゃ重い。身体には、点滴と酸素マスク、背中の痛み止めのチューブ、尿をとるカテーテルがつながっている。これらにも気を遣う。

 気を遣うけれども動かなくちゃいけない……仕方がないので、ベッドの柵を両手でつかみ、膝を立てて、せーの!で腰の位置をやれ右、真ん中、左と動かした。これがとても疲れる作業だった。おまけに、痛み止めの薬のせいらしく、動く度に少しだけど吐き気がする。喉も渇いて仕方がない。だんだん熱も上がってきて、38度を超えるくらいになり、氷枕を持ってきてもらう。

 面会時間終了時が近づいた頃、やっと酸素マスクが外されて、少し自由を得た気分になった。相変わらず、水を飲んではいけない状態だったので、持ってきてもらったストロー付きのキャップをペットボトルにつけてもらい、口の中を湿らせるだけにした。それでもホッとした。

 皆も帰り、寝る時間だけど、少し眠っては身体が痛むことで目が覚め身体の位置を変える、この繰り返しとなった。途中で点滴交換のためにナースが来ても目が覚めるしね。氷枕だけでは足らず、おデコにのせるアイスノンも持ってきてもらった。冷えピタじゃなかったな……。