ピンポンも初心に帰って

南部スポーツセンターへフンコロガシ・・自転車・・で行く。行きは雨は降るまいと思い一寸寒いが例の新土河原から野口町・荒尾町の団地街を抜けて行った。この通りは南部スポーツセンターまで殆ど直線であるようで、少々寒いが住宅街の中であれば風の当たりも少ないからと思ったからであった。体育館使用申請書は毎週俺が提出しているので出て行かねばならない。会員十二名は何時もの如く出て来ていた。いつもの常連の連中であった。「二十二日遅らせながらの新年会をセットしてありますので出て来ている女性会員に土曜日は出てきますか？」と聞いて見た。一人だけ来れませんと言う回答があった。せっかくの懇親会の集まりだから「セットする人も大変であるので世話人の事情も勘案してやって下さい」と頼んだことであった。

二時間の練習では俺自身は全然汗もかかないがこの冷たい寒い時期に汗をかく人もあるようだった。自分の力で一生懸命遣っている証拠であるようだ、数名から挑戦と言うより打って下さいと頼まれコートの右側だけに球を集めて遣るが、3本に1本は返って来ない。じゃショウトだけしましょうと言って打ってやると返せるような球は腹一杯打って俺が受けられないのであれば喜んでいる。本当にピンポンの遊びである。俺自身も例の眼の修理をして二年以上も経過したがピンポンしていると未だに異物が入った感じがしておかしい。

俺のピンポン歴は大学の会計課に就職してからである。ピンポンの基礎から教えられ絶対打つな、粘れと口喧しく教えられてから半世紀、その時がカットの練習であった。教えてくれた人は如何されているだろうか時々思い出すこともある。たしか熊本商業が全盛期で全九州高等学校卓球選手権大会で個人戦２位を取った人であった。そんなことで近頃は初心に帰って打たなくカット専門で返している。この会にはカットで返していると相手さんは面白くないことこの上ないようである。此の足腰痛い八十じじいがもう少し若かったら皆さんをもっと鍛えるなどと言って笑っている。

帰りには雨が降り出していた。まったく冷たく雪交じりの雨であった。例の雨合羽は古い奴を積んでいたので防水の役目は果たして呉れたが足の方は少々濡れた。向かい風が酷く先日の雨の中より余程フンコロガシ・・自転車・・・は進まなかった。薄場の団地まで帰るとホッとするのであるこれは改修された白川の堤防に大きな道路が出来ているためである。吾々は午前中心で十時から十二時までの使用許可を申請しているが九時から十一時まで例の夫婦の愛好者が全く久しぶりですと練習を行っていた。