鯉のぼりが、西の風をいっぱいに吸い込んで、元気に泳いでいた。‘ 鯉のぼり ’ といえば、5月とばかりと思っていたが、昨今は他に先んじて、なんでも早く早くの風潮の所為であろう。
都市部では、高層化された集合住宅という事情があって、鯉のぼりを立てる余裕がない家庭が多く、‘五色吹流しつきベランダセット’というような鯉のぼりを団地でよく見かける。
滝をのぼる本物のコイのように、男の子が元気に大きくなることを願い、家族のものがたてる習わしが、江戸時代から庶民の間で始まり、今日まで引き継がれている年中行事の一つである。また「わが家に男の子が生まれました。どうぞお守りください」と天の神様に伝え、 守っていただく意味があるともいわれている。