オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

月百姿 卒塔婆の月

2017-04-25 | 月百姿

月岡芳年 月百姿

『卒塔婆の月』 (そとわ[ば]のつき)

明治十九年届

 

歩き疲れ 朽木に腰をかけて休んでいる小野小町

小野小町は、平安時代前期の歌人

生没年不詳

国立国会図書館デジタルコレクション 007


能楽「卒都婆小町」より

ところは摂津の国阿倍野 ときは九月

高野山の僧が道端の朽ちた卒都婆に腰をおろしている老婆を見て

ほかの場所で休むように諭し、卒都婆は仏体そのものであると

その功徳を説いて聞かせる。

ところが老婆は 僧の言葉に一つ一つ反論し

迷悟は心の問題で世界は本来無一物と気付けば

仏も衆生も隔りはないのだと論破するので 僧は恐れ入る 。

僧が老婆に名を尋ねると、老婆は「小野小町のなれの果てだ」 と

明かしました。 小町は美貌を誇った往時を懐かしみ

翻って老いを深めた今の境遇を嘆く様子を見せた後

狂乱状態となり 百夜通いのありさまを再現する。


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